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認知症の兆候とは

 認知症の兆候とは具体的にどういうものか。同じ話を何度も繰り返すとか、物忘れが多くなる、訳もなく怒り出す、といったことならわかりやすいが……。

「たとえば、綺麗好きだったのに家の中が乱雑になり、リビングに物が溢れて整理整頓できなくなった、というのはしばしば見られる兆候です。料理の味付けが変わったり、献立のレパートリーが減っていつも同じものばかり食べている、というのもそう」(同前)

 うちの親も献立を工夫するのがしんどくなってきたのかな……ですませてはいけないのだ。

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「財布の中が小銭でパンパンになっているのも兆候。買い物した際にレジで計算ができず、ついお札で支払ってしまうのです。

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 家の中に生ゴミの臭いが漂っている、といったことにも気をつける必要があります。アルツハイマー型認知症は、初期の段階で嗅覚機能が衰えることが報告されています」(同前)

 また、身だしなみや金銭感覚に変化がないか、自家用車を車庫入れなどでぶつけ、傷つけていないか、といったことも注意深く観察する必要がある。

「白内障の手術で1泊入院するなど、環境が変わった際に夜間せん妄(夜間に興奮する、家族の顔がわからなくなる、幻を見るなど)が出た場合も要注意です」(同前)

医師監修の「認知症を疑うべき10のサイン」

 長谷川医師監修の10項目の兆候を掲載する。参考にしてほしい。

長谷川医師監修「親が認知症? 疑うべき10のサイン」

 実は、家族が疑うより前に当の本人が気づいている、と指摘するのは都立松沢病院・認知症疾患医療センター長の新里和弘医師だ。

「物忘れなど認知機能の衰えに最初に気づき、もしかしたら認知症ではと最初に考えるのは、他ならぬ本人なのです。しかし、多くの人はそれを隠そうとする。自分に起きている変化を、怖くて誰にも話せないのです。さらには悟られないよう、必死に取り繕うようにもなる。

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 それによって家族などが異変に気がつくのが、3年から5年ほど遅れてしまうと言われています」

 本人だけが苦しんでいる、という期間は思いのほか長い。だからこそ、周囲がちょっとした変化を見落とさないことが大切なのだ。

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 続きは『最新予防から発症後の対応まで 認知症 全部わかる!』に収録されています。