「ステイ・ホーム期間中に増えてしまった体重が、なかなか元に戻せない」。そんな人が多いのではないでしょうか。
9月2日に明治安田生命が、20~79歳の既婚男女(有効回答者数5640人)を対象に8月中に行ったインターネット調査の結果を公表しました。その結果、約半数(45.1%)の人がコロナ禍を機に食事・栄養や運動など生活習慣の改善を心がけるようになり、「健康への意識が高まった」と回答したそうです。
しかし、一方で「運動不足・食生活の乱れで体重が増えた」という人が2割以上(21.2%)もいて、とくに男性(18.3%)に比べて女性(24.2%)のほうが、「コロナ太り」になってしまった人が多いという結果でした。
週に1、2回夕食を抜く「プチ断食」
かく言う私(50代)も、コロナ太りに悩んでいました。いや、コロナになる前から、太っていました。身長163cm、体重71kg、BMI(体格指数=体重kg÷身長mの2乗)26.7。BMIは25以上が「肥満」とされるので、立派な小太りです。
実際、今年に入ってから、これまでにないほど「ぽっこりおなか」になっていました。ステイ・ホーム期間中は息苦しさも感じ、「もしやコロナかも」と少し不安になりました。たぶんコロナでなく、脂肪によって横隔膜が圧迫されていたのと、飲み過ぎが続いて胃腸が荒れていたことで、ぜんそく気味にもなっていたのではないかと推測しています。
そんなとき、信頼している医師から勧められて「プチ断食」について取材することになりました。その医師によると、週に1、2回夕食を抜くだけで、体重が減っていくというのです。しかも、血圧や血糖値、悪玉(LDL)コレステロール値、中性脂肪値が下がり、メタボリックシンドロームの人ほど、大きな効果が期待できるとのこと。
本当ならいいことずくめだが……
さらには、最後に食べてから16時間以上経つと、異常なたんぱく質を分解して、新しく作り直す「オートファジー」という仕組みが細胞の中で働き始めるので、異常なたんぱく質が原因で起こるアルツハイマー病、パーキンソン病、がんといった病気の予防や、アンチエイジングも期待できるとか。本当ならいいことずくめです。
この取材の結果をまとめ、7月9日号の「週刊文春」に「『プチ断食』で“コロナ太り”に克つ」という記事を寄稿しました。記事を書いて何万人という読者にプチ断食を勧める以上、自分でもやってみるしかありません。ということで、プチ断食の取材を始めた6月9日、たぶん物心ついて初めて、夕食を抜いてみたのです。