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「夫は私に関心がないのです」――年間200家族の相談を受ける人気カウンセラーが語る“こじれる夫婦”の特徴

『夫のLINEはなぜ不愉快なのか』より #1

2020/09/29

source : 文春新書

genre : ライフ, ライフスタイル, 社会

「妻が急に『離婚する』と言い出した…」、「夫は私に関心がないのです」――家族問題のカウンセラーである山脇由貴子氏は、配偶者との関係に悩んでいる夫婦の多さを日々実感しているという。もとは他人だった夫婦は、どうすれば分かり合えるのか。

 著書の『夫のLINEはなぜ不愉快なのか』から、コミュニケーションのコツを探る。(全2回の1回目/後編に続く)

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◆◆◆

「話を聞かない」は最大の不満

「とにかく夫は私の話を聞いてくれないのです」

「家で全然、会話がないのです」

 これは妻にとって最大の不満といってもいいでしょう。

 夫とのコミュニケーションがないということは、妻にとって大変な苦痛であり、それが大きな不満につながります。ですから、なぜ妻にとっては苦痛なのか、不満に思うのかを理解できれば、結婚生活の中で妻が求めていることがおのずと分かってきます。

 では、その心理を理解するため、妻の声にもう少し耳を傾けてみましょう。

「私が何か言っても、テレビを観ていたり、スマホをいじったりして、全然、聞いていません。『ちゃんと聞いて!』と言うと、『聞いてるよ』とは答えますけど、『じゃあ、いま私、なんて言った?』と聞くと、絶対に答えられないんですよ」

 夫を連れて私のところへカウンセリングにきた妻は、不満をおさえきれません。この夫は「ちゃんと話は聞いていますよ」と言いますが、妻にはそう感じられないのです。

「テレビやスマホをみてないときでも、『ああ』とか『うん』しか言わないし、聞いているフリをしているだけ。だから後で聞いても、私が話した内容を覚えていないし」

 それに対する夫の言い分はこうです。

「別に大した話じゃないから忘れちゃうのです」

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 別の妻はこんな不満をもらしました。

「私が話し始めると、『で、その話のオチはどこなの?』と言うのです。『だから何が言いたいの?』と言われたこともあります。ひどいですよね。べつに何か結論みたいなものを言いたいのではなくて、私は話を聞いて欲しいのです」

 その夫はこう思っていました。

「だいたい、妻の話はどうでもいいことが多いのです。今日はスーパーを3軒まわったとか、キャベツが安く買えたとか。そんなこと、どうでもいいじゃないですか。好きな店に行けばいいわけだし。

 あるときは『女友だちからヒドいこと言われた』と言うので、『だったら、もう会わなきゃいいだろう』と言ったら、『そういう問題じゃない!』と怒られました。

 結局、何を言いたいのか分からないし、私が何か言っても怒るので、もう聞き流していますね」

 こうした夫婦のやり取りはカウンセリングの場で何度も耳にします。

「夫に話を聞いてもらえる」

「家庭内で会話がある」

 繰り返しになりますが、こう思えるかどうかは、妻にとって結婚生活に満足できるかどうかを左右する非常に大事なことです。

 というのも女性にとって、きちんとコミュニケーションをとれる相手がいるかどうかは、きわめて重大な問題だからです。その背景には、女性の特性や、小さい頃からの育ち方、育てられ方があります。