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「理解したい」で追い詰められ…大学生が授業でカミングアウトさせられた顛末

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カミングアウトの必要もない社会が理想だけど

 私たちが目指すのは、誰がどんなセクシュアリティやジェンダーを持っていても自分らしく生きられる社会。最終的には、わざわざカミングアウトする必要もない社会が理想的かもしれません。

 しかし今はまだ、LGBTQ+当事者などにとってカミングアウトは大きな意味を持つもの。カミングアウトがきっかけで自分らしく過ごせるようになる人もいる一方で、かえって辛い経験をする人も多いのです。

 何よりカミングアウトするかしないかは、その人が自分で選ぶべきこと。いつ、どのような形で、誰を相手にカミングアウトするかは、他の誰も強制することはできません。

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 そんな社会のあり方をよくわかっているであろう学校の教員がこのようなアウティングにつながりかねない問いかけをしたことは大きな問題です。

 この漫画をTwitterで公開したところ、学校の授業だけでなく企業におけるLGBT研修などでも同じような経験をした方が多いことがわかりました。当事者をあぶり出すような質問が「性の多様性を理解しよう!」というポジティブな動機の下で、平気で横行しているのかもしれません。

「性についてオープンな社会がいいよね」と思うことと、「みんな今すぐオープンにしよう」は本来大きく違うもの。

 特にセクシュアリティやジェンダーについて教える立場の教員や講師の方に、ぜひこの漫画のメッセージが届いてほしいと思います。

◆◆◆

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(漫画:keika、編集後記:伊藤まり

 パレットークでは、「こうあるべき」を、超えてゆく。をテーマに、LGBTQ+、フェミニズム、多様性について、漫画やインタビューを通して発信している。

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