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「恐怖のマウンティング組閣人事」に黒川マージャン問題の“遺恨”を発見! そもそも、検察と菅政権の関係は?

2020/09/28
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林検事総長は上川法相に頭が上がらない?

 指揮権の発動は、1954年4月に造船疑獄で犬養健法相が佐藤藤佐検事総長に対して「重要法案審議中」を理由に佐藤栄作自由党幹事長の収賄容疑での逮捕許諾請求を無期限延期させて、強制捜査から任意捜査への切り替えを命令して以来、行われたことはない。

佐藤自由党幹事長の不逮捕理由を発表する佐藤藤佐検事総長(造船疑獄事件)1954(昭和29)年6月16日、最高検察庁

「東京地検特捜部が自民党国会議員の大型疑獄事件の捜査に乗り出したとしても、上川法相が指揮権を発動することはないでしょう。法相を何度も任されてきた上川氏は法相の仕事を熟知しているからです。ただ、その上川氏が意見対立のあった林氏を嫌って、検事長人事を断行した過去は重い。林氏も頭が上がらないといったところではないでしょうか。

 それに上川氏は、法相としてオウム真理教の死刑囚ら16人の死刑執行を命じた人物です。これは法務省が死刑執行を公表するようになって以降、最多です。上川氏は『鉄の意志』を持つ政治家なのです。官僚の独断は許さないという点で、菅首相と通じるところがあるのです」(同前)

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法務省 ©時事通信社

 大阪地検特捜部の証拠改竄事件で一度“死んだ”特捜検察は安倍政権下で復活を果たした。菅政権下でもその勢いを維持できるかどうかは、林検事総長の「覚悟のほど」にかかっていると言えるのかもしれない。

「恐怖のマウンティング組閣人事」に黒川マージャン問題の“遺恨”を発見! そもそも、検察と菅政権の関係は?

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