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連載池上さんに聞いてみた。

池上彰氏が解説する「自民党・菅体制が“おじいさん体制”になったワケ」

池上彰氏が解説する「自民党・菅体制が“おじいさん体制”になったワケ」

池上さんに聞いてみた。

2020/09/28
note

Q 自民党新体制、どうしてあれほどおじいさんばかり?

 9月16日に菅義偉首相が誕生し、新しい体制が発表されましたが、出てくる人の平均年齢が70歳を超え、みんな男性ばかり。コロナで他の国の政治家がテレビに映ったときは若い人や女性も多かったのに、どうして日本ではあそこまで極端な「おじいさん」ばかりの体制になったのでしょうか?(20代・男性・会社員)

9月16日に発足した菅内閣 ©AFLO

A 身の回りの若い人が立候補したとき、「変わった人だ」と見ていませんか

 そもそも若い人が政治に関心を持ったり、「政治を変えてやろう」としたりしないからです。

66歳の安倍前首相(左・66歳)よりも菅首相(71歳)の方がさらに年上 ©JMPA

 たとえばヨーロッパの各国には若い政治家が多いですね。それぞれの国では高校生の頃から政治について議論するのが当たり前です。海外から日本の高校に転入したら、日本の高校生が政治について全く議論しないので驚いた、という話をよく聞きます。たまに日本の高校生も政治の話をしますが、すぐに「意識高い系」などと揶揄されて口を閉ざしてしまいます。こんなことを続けていては、若い人が政治の世界に出ていきませんよね。私たちの身の回りでも若い人が立候補したりすると、「変わった人だね」と冷ややかに見ていませんか。とりわけ女性が声を上げにくいですよね。こんな社会の空気が変わらないかぎり、日本の政治は「じいさん」たちが牛耳るでしょう。

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