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「胸を触ったり、下着をまくらせて体を見たり」懲戒処分の“わいせつ教師”1030人 約半数が自分の教え子を狙っていた

2020/10/01
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 男が標的としたのは担任するクラスの女子児童。犯行の舞台となったのは全て学校内だ。放課後、教室に1人残したり、授業時間中にもかかわらず、クラスを自習にして1人別の教室に呼び出したりして犯行に及び、一部はカメラで撮影もしていた。2013年1月から逮捕される18年7月までの5年半、周囲にバレることはなかった。親や他の教職員に被害を言わない子供を選んでいたのだ。

 1人の子供が複数回、被害に遭った例もあり、ある女子児童は5回も被害を受けた。

服の上から胸を触ったり……

写真はイメージ ©iStock

 初めの口実は忘れ物の指導だった。小学5年だったAさんは、忘れ物が続き、担任だった男から放課後、教室に居残るよう言われた。教室で2人きりになると、突然、男に「服をまくって」と言われ、胸の下まで体操服をまくらされた。その日はそれで済んだが、その後、男の行動はエスカレートする。Aさんを1人呼び出しては、「体だけは大人になりやがって」と服の上から胸を触ったり、下着も含めて服をまくらせて、体をまじまじと見たりした。

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「できれば死刑になってほしい」

 5回目の被害が最もおぞましい。校内の校舎に呼び出され、恐怖を感じるAさんは服を全て脱がされ、男はAさんの陰部を触り、口淫した。男は犯行の一部をカメラで撮影していた。

千葉地裁 ©共同通信社

 Aさんは男の裁判に出廷した。被害を受けてもすぐに周囲に言えなかったのは「家族に心配をかけたくなかった」からという。男が逮捕された報道を見て、打ち明ける決心をした。法廷でのAさんは「できれば死刑になってほしい。それが無理なら、できるだけ長く刑務所にいてください」と強く訴えた。