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「担任という絶対的立場を悪用」

「生活指導」「傷の状態を見る」「味の検査」——。教師と児童という関係を悪用し、次々と犯行に及んだ。男の犯行は、1人の被害者が母親に相談したことをきっかけに警察の知るところとなる。自宅の家宅捜索で男のパソコンやハードディスクが押収され、やっと被害者が7人いることが判明したのだ。裁判長も判決で「就業中、堂々と、しかも担任という絶対的立場を悪用し、長期間にわたって反復して犯行を行った。その大胆さと常習性は目に余る」と断じた。

萩生田文部科学大臣は、法改正の検討を進める考えを示した ©共同通信社

 わいせつやセクハラは言うまでもなく性犯罪で、「心の殺人」といわれる。しかも、信頼する学校の先生から被害を受けることは、子供にとってどれだけ怖く、どれだけ言い出しにくいことだろうか。被害者は心に生涯残る傷を負っている。学校は本来、子供がのびのびと勉強したり遊んだりできるよう、教師が子供の模範となり、見守る場所のはずだ。

 文部科学省は9月15日、懲戒免職となり教員免許が失効した教員について、処分歴などの閲覧期間を現行の3年から40年に延長すると発表した。一度免職された教員が免許を再取得したとしても、再び雇用されにくくはなるが、わいせつ教師が減るわけではない。

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写真はイメージ ©iStock

 わが子を安心して学校に通わせられる日は来るのだろうか。