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「間違いなく世代No.1」

「間違いなく世代No.1。完成度は高いが、それでいてまだ伸びしろもある。余力を残して投げているようにすら見える。打者を見下ろして投げている」

 スカウトたちはそのように絶賛を繰り返す。昨年、佐々木朗希投手を獲得。一軍で実績のある種市篤暉投手もいる。今年、プロ初先発を経験した古谷拓郎投手や2年目の土居豪人投手、1年目の横山陸人投手も面白い。現在のヤングマリーンズはダイヤの原石で溢れ返っている。

「若い投手がたくさんいる。その輪に加わって軸になって投げて欲しい。今回、ドラフトが終わって色々なところから甲子園のスターを獲れてよかったねと言われる。彼はスター。そういう星の下に生まれている。彼らが引っ張って常勝軍団を作って欲しい。期待しかない。常にアベレージに力を発揮できる」(永野プロ・アマスカウト部長)

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 打では今年、4番に座り続けた安田尚憲内野手。終盤に1番に座り、見事に切り込み役を担っている藤原恭大外野手がいる。右肘骨棘切除・遊離軟骨除去術を行った平沢大河内野手も復活が待たれる。そして今年はさらに育成から支配下登録を勝ち取り、盗塁を重ねた和田康士朗外野手の存在もクローズアップされた。20代前半にこれほど将来有望な選手たちがキラ星のごとく集まっているチームはなかなか見当たらない。

 過去10年でホークスが5度のリーグ優勝、6度日本一に輝いてる。まさに常勝軍団。しかし、この先10年を見据えるとマリーンズも非常に楽しみである。そんなワクワクする未来が想像できる指名挨拶となった。行きの車中は暗かったが帰りは誰もが饒舌になっていた。甲子園という大舞台で堂々たるマウンドさばきを見せた中森の次なるステージでの活躍が今から楽しみだ。1年目での15勝も決して夢物語ではない。無限の可能性を秘めた若者が優勝を逃した悔しさを癒してくれた。陽はまた昇る。若者たちは日々、成長をしている。

梶原紀章(千葉ロッテマリーンズ広報)

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