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ロッテのアスレチックトレーナーが“14604キロの遠距離恋愛”を成就するまで

文春野球コラム ペナントレース2020

2020/10/25

 マリーンズには様々な経歴を持つチームスタッフがいる。アスレチックトレーナーの櫻井剛之氏(37歳)もアメリカのデラウェア大学でアスレチックトレーナー学を学び、卒業後はメジャー1Aのトレーナーを務めた経歴を持つ。そして今年1月に結婚したばかりの妻(ジェイシマールさん)は10歳年下のベネズエラ人なのだ。

櫻井氏とベネズエラ美人妻 ©梶原紀章

14604キロの遠距離恋愛を結実させたアスレチックトレーナー

 あれは2017年10月の事。まだマリーンズ入りする前の話。1Aのシーズンが終わり、ベネズエラのウィンターリーグにトレーナーとして参加している時に、美人が多く陽気で有名なベネズエラ人女性のハートを掴んだ。

「彼女は宿泊ホテル近くのレストランでウェートレスをしていました。最初はメールアドレスを交換して一緒に映画を見たり、彼女も野球が好きだったので野球の話をしたり。野球を題材にしたコメディー映画を一緒に見に行ったのは印象的です。スペイン語はあまり分からなかったので、説明をしてもらいました」

 櫻井氏は国際結婚に至った出会いについて説明してくれた。当時、ウィンターリーグでトレーナーを務めていたのはベネズエラ北西部に位置する人口89万人ほどの都市、バルキシメトに本拠地を置くカルディナーレスというチーム。そう、ベネズエラ人なら誰しも知っている有名な指揮者のグスターボ・アドルフォ・ドゥダメル・ラミレスの出身地だ。2017年10月から翌年2018年1月まで行われたリーグ戦の期間に少しずつ愛を深めた。2018年2月からマリーンズのスタッフの一員になることが内定していたため泣く泣く帰国し離れ離れに。しかし帰国後も14604キロ離れながら遠距離で連絡を取り続けた。愛は太平洋をも越えるのだ。そして2018年11月下旬に彼女が初来日した時に気持ちを固めた。

「ベネズエラから日本に来るのは簡単な事ではない。観光ビザを取得してヨーロッパ経由で地球の反対側から、わざわざボクに会いに来てくれた。この人とだったらなんでも一緒に出来るとその時に思った」と櫻井氏。2020年1月には晴れて夫婦となり、日本で一緒に暮らし始めた。

「とてもボクをハッピーにしてくれる。一緒にいて楽しい」と櫻井氏はノロケる。ちなみに大好きな愛妻料理はベネズエラの伝統的な料理の一つであるアレパ。すり潰したトウモロコシから作る薄焼きパンである。中にはチーズ、鶏肉など様々なものを詰めて食べる。