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「高収入女性が、低収入男性を“専業主夫”として養う結婚」が成り立ちにくいのはなぜか?

2020/10/09
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 反対に、既婚女性は「デートでどっちが奢るかどうかはどうでもいい」と考えていて、だからこそ結婚しているのではないかと思いますが、ソロ女は少し違います。

 仕事でバリバリ稼いでいるソロ女もまた、「男に奢ってもらいたい」という願望を持っています。それは、彼女自身がお金を払いたくないというわけではありませんし、男に頼り切りたいという甘えでもありません。自ら稼いで、経済的に自立しているソロ女の特徴として、考え方が男性的規範に縛られてしまいがちなのです。

©iStock.com

 男性社会の中で、男性に負けないように生き抜くためには必要な処世術だからでしょう。

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 そうした「男とはこうあるべし」という男らしさ規範に精通しているがゆえに、「男性は強くあるべし。デートでは必ず女性に奢るという気概を見せるべき」という思考に逆に固執してしまうようになるのです。

首都圏は高収入も未婚者もいっぱい

 ちなみに、そうした高収入未婚女性は、ほぼ首都圏に集中しています。年収別で50歳時男女未婚者数の全国構成比を見てみると、圧倒的に首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉の一都三県)に集中していることがわかります。未既婚全体の構成比と比較しても、未婚の方が首都圏に集中しています。特に、1000万円以上の高年収アラフィフ未婚女性は、そのほぼ8割が一都三県に在住しています(図1-15)。

地方で高収入を得ることが難しいのは男女共通だが、女性は男性以上に首都圏への集中度が顕著だ

 首都圏への過度な人口流入と集中は、働く場を求めてのものですが、そうやって働く場を得て、自分で稼げば稼ぐほど女性は結婚から遠ざかってしまうという現実があります。

「高収入女性が、低収入男性を“専業主夫”として養う結婚」が成り立ちにくいのはなぜか?

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