2040年には人口の50%が独身者になると言われる日本。もはや「結婚」という制度自体が崩壊していることを説く『結婚滅亡』が話題になっている。著者の荒川和久氏は新しい時代の結婚像を模索する「独身生活研究者」でもある。

結婚滅亡』の中から、稼げないと結婚が遠ざかる男性と、稼げば稼ぐほど結婚が遠ざかる女性。この皮肉な交差現象を、豊富なデータを交えて解説した章を抜粋して転載する。(全2回の2回目。#1を読む)

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 50歳時未婚率と年収との間には強い相関があります。

 しかし、男性と女性とではその相関は正反対です。男性は年収が低いほど50歳時未婚率が上がるのに対して、女性は逆に年収が高くなるほど上がります(図1-14)。

男性は年収が上がると未婚率が下がり、女性は年収が上がると未婚率が上がる
男性は年収が上がると未婚率が下がり、女性は年収が上がると未婚率が上がる

稼ぐ女性の未婚率は全国平均の倍

 特に、年収400万円台の女性では50歳時未婚率28%、800万円台の女性でも29%と、3人に1人の割合です。絶対数は少ないですが、1250~1500万未満の女性に至っては、36%が生涯未婚です。女性全体の値は2015年の国勢調査では14%ですから、稼ぐ女性たちは全国平均の倍以上未婚であるということです。

「ならば、高収入のソロ女が専業主夫として低収入ソロ男を養えばいい」という意見もあると思いますが、現実はそう簡単にいきません。

 低収入未婚男と高収入未婚女とはマッチングされないのです。