台湾のデジタル担当大臣として知られるオードリー・タン政務委員。トランスジェンダーであることを公表し、天才プログラマーであり、コロナ禍においては、国民全員にマスクが行きわたるシステムを構築、台湾におけるコロナ感染拡大を防いだことで話題となりました。

 そこで、彼女の考えていることを知りたい! と我らが岡村ちゃんがオンラインで緊急取材。オードリーさんのユニークな人間像に迫りました。(2020年8月取材)

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台湾のエンタメ業界はすべて通常開催に

岡村 こんにちは、はじめまして。今日はよろしくお願いします。

オードリー こちらこそ。お会いできて光栄です。

オードリー・タン (C)Audrey Tang

岡村 僕はエンタテインメントの世界にいるのですが、今、日本のエンタメ界は深刻なフェーズに直面しているんです。コロナの影響で音楽イベントが軒並み中止となり、コロナがいつ収束するのかもわからないので、再開のめども立たず、業界全体が混乱し、前に進めなくなっているんです。台湾のエンタメはどうですか? コンサートやイベントはいまだできない状況は続いているんですか?

オードリー 今、市中感染がない状態なので、スポーツやエンタメを含むすべてのイベントは通常開催になっているんです。

発売中の『週刊文春WOMAN vol.7 (2020秋号) 』に掲載

岡村 そうなんですか。すっかり元にもどってる感じですか?

オードリー もちろん、入場のときの検温、手指消毒、マスク着用は、基本中の基本で、そういった対策をとった上で、です。キャバクラやクラブのような夜の街の店も、存在を抹殺する必要はありません。これまでのような濃厚接触はできないですが、営業しています。お客さんは記名制ですが実名でなくてもいい。その代わり連絡先は残してもらっていますね。

岡村 コンサート会場には、お客さんは普通に入っていますか?

オンラインで取材する岡村靖幸 (C)Takuya Sugiyama

オードリー 入っています。室内では、席を1つ空けて。そうじゃない場合は、マスク着用で満席にすることもあります。アウトドアの場合は、1mのソーシャルディスタンスを守っていれば制限なし。まったく元通りではありませんが、エンタメ業界の被害はだんだん少なくなっています。