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 これまでの生活と比較すれば、当然不便を強いられることにはなるが、“ニューノーマル”に適応していくことが、感染予防には必須であり、結果的には、箱根駅伝で結果を残すことにもつながっていくのかもしれない。

9月にようやく実施できた1週間の合宿

 9月になってようやく合宿の許可がおりた。期間は1週間程度と短かったが、それでも「みんな合宿がしたかったのか、すごくモチベーションを高く持って取り組んでいました。アップダウンを走る機会が少なかったので、クロスカントリーのコースを走れたのも良かった。期間は短くても、やれて良かったなと思っています」と相楽監督が言うように、チームにとっては好材料になった。

©文藝春秋

 現状では、10月の出雲駅伝は中止になったが、11月の全日本大学駅伝、来年1月の箱根駅伝は開催される見込みだ。10月17日にはその箱根の予選会も開催される。

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「今は開催される方向で、いろんな方が動いてくださっていますが、新型コロナウイルスの感染状況は我々がコントロールできることではないし、春がそうだったように、“万が一”も起こりうる。我々は、開催されるのを信じて準備を進めていくだけです」(相楽監督)

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選手の人生にとってこの1年がプラスになるように

 もちろん“万が一”の事態など考えたくもないだろう。

 だが、この1年、見えないウイルスという敵にたびたび翻弄されてきただけに、何が起きても動じないように、覚悟は備えている。そのうえで、相楽監督はこう結んだ。

「10月11日には、中止になった出雲駅伝の代替レースとして、自分たちで“トラックゲームズ in TOKOROZAWA”と題した記録会を開催しました。同様に、万が一箱根駅伝が中止になった場合には、それに替わる舞台を我々が用意してあげないといけないのかなと思います。一生懸命準備してきたプロセス自体が、彼らの人生にとってプラスになると信じて、最後まで指導していきたいと思います」