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2020/10/17

source : 文藝春秋 digital

genre : 政治

菅首相を篭絡した外務省

 一方、外務省の菅に対する気の配り様は徹底してきた。

「官房長官秘書官は2年単位で交代します。市川は菅さんの意向により、秘書官から総合外交政策局総務課長というエリートポストに就いています。このときの外交政策局長が現事務次官の秋葉剛男ですが、市川に代わり、河邊賢裕が官房長官秘書官に就任。その河邊も同じように、その後、総合外交政策局総務課長になり、その後任秘書官が高羽でした。

 そうして外務省は菅官房長官秘書官に次々とエース級を送り込んできた。彼らはすっかり菅さんを篭絡し、菅さんも手放せなくなったのです。河邊は昨年9月の人事で大臣官房参事官になり、実は今度の首相秘書官就任も検討されたが、他の持ちあがり秘書官たちと歩調を合わせるために高羽を据えたのかもしれない」(同前・官邸関係者)

 安倍政権時代、今井にしてやられてきた外務省としては忸怩たる思いが募ってきた。だが、新たな首相に交代し、いわゆる“菅印”の布陣を配している。目下のところ、ひと安心といったところだろうか。この先、市川、河邊、高羽の3人が対米外交を支えていくことになりそうだという。

菅義偉氏 ©️JMPA

 もっとも、周知のように大統領選の行方次第で対米外交の状況は激変する。これまで事務次官として官邸官僚たちと渡り合ってきた秋葉も来年には交代する。また、今井と同じく、外務省からアジア外交の主導権を奪ってきた菅側近の和泉は、新政権になってますますパワーを増している。むろん和泉には外務省も神経を使う。新宰相は外交の実績が皆無だけに、波乱要因は多く、危うさを孕む。

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 森功氏の「菅官邸の恐怖政治『今井派追放』と『2人の奉行』」は「文藝春秋」11月号と「文藝春秋digital」に掲載されています。

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