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“経産省出身”官邸官僚を追放した菅政権で外務官僚が息を吹き返したワケ

2020/10/17

source : 文藝春秋 digital

genre : 政治

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菅首相のイエスマンが勢揃い

 また注目された首相の政務・事務秘書官について菅は、それまでの6人から1人増やして7人に増員した。今井の務めてきた政務秘書官ポストには、菅の懐刀である首相補佐官の和泉洋人の兼務説もあったが、それは見送って菅事務所の新田章文を起用。またコロナ対策で事務担当の首相秘書官に厚労省から1人増員して6人とした。その6人のうち外務省の高羽陽、財務省の大沢元一、経産省の門松貴、警察省の遠藤剛という4人が、官房長官秘書官からの持ちあがりで首相秘書官に就いているのである。ちなみに防衛省の増田和夫は安倍首相秘書官からの続投となっているが、弾道ミサイル防衛システム「イージス・アショア」撤退の後始末があるせいかもしれない。

財務省 ©️文藝春秋

 厚労省だけは8月まで官房長官秘書官を務めてきた岡本利久を外し、第二次安倍政権発足当初に官房長官秘書官だった鹿沼均を起用している。その理由についてある官邸関係者はこう指摘した。

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「岡本秘書官は一連のコロナ対策で菅官房長官の方針に助言してきたが、どうもそれが菅さんの気に障ったようです。それで菅さんが気心の知れた前の秘書官である鹿沼に替えたのでしょう。他の秘書官の顔ぶれを見てもみな菅さんのイエスマンばかり。菅さんは一度バツをつけると徹底的に嫌う傾向がある。だから、残るのは菅さんの意に沿った意見を言う人に限られるわけです」

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