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その3 難しい手術ほどセカンドオピニオンを聞く

 執刀医から説明を聞いても納得できないことや、「この病院で手術を受けていいのか」と心配になるケースもあり得ると思います。そのような場合はぜひ、別の病院の経験豊富な専門医に「セカンドオピニオン」を聞いてください。

 セカンドオピニオンは「第二の意見」という意味で、診断や治療方針について、主治医以外の医師にあらためて意見を求めることを言います。自費診療で30分2~3万円程度の料金が必要ですが、多くの大学病院やがん専門病院が「セカンドオピニオン外来」を設けており、一般にもかなり広く知られるようになりました。

 最初にも書いた通り、手術の技術や成績には病院によって差があり、どこで受けたかでその後の人生が変わる可能性もあります。

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 たとえば、肝胆膵がん(肝がん、胆道がん、膵がん)のように手術の難易度の高い場合や、大きな血管に絡みつく進行がんなどの場合、一般的な病院で「手術できない」と言われたとしても、手術をたくさん行っている技術力の高い外科医がいる病院に行けば、切除できるケースがあります。それによって命拾いする可能性もゼロではないわけですから、セカンドオピニオンを聞くことは非常に大事だと言えるでしょう。

 人間関係を大事にする地方や年配の患者ほど、主治医に遠慮して「そんなことはできない」という人が多いと聞きます。ですが、冒頭の医師のコメントにある通り、自分の腕に自信のある医師ほど共通して、「セカンドオピニオンを聞くべきだ」と強調します。ですから遠慮なく、主治医や病院の窓口にセカンドオピニオンを申し出てください。

 セカンドオピニオンを聞く医師を決める際には、病院のホームページやネットの情報だけでなく、ランキング本や医者選び本なども参考になるでしょう。それを見て「この医師が信頼できそう」という人を選ぶといいと思います。

セカンドオピニオンで陥りやすい落とし穴

 ただし、たくさん聞けば聞くほど、正しい答えにたどり着くわけではありません。また、たとえば、「手術しなくても治る」などと、自分の求めている答えを言ってくれる医師にたどり着くまでセカンドオピニオンを繰り返す人がいると聞きますが、このようなドクターショッピングは好ましくありません。1~3人ほどの医師に聞いてみて納得できる答え、あるいは共通した答えを得られたら、主治医のもとに戻るか別の病院で治療する決断(もちろん、治療しない決断もありえます)をしたほうがいいと思います。

 なお、セカンドオピニオンを求める際には、現在かかっている病院で紹介状や検査結果などを一緒にもらってください。そうしないと、何軒もの病院で何度も検査を受けることになりかねないからです。医療費の無駄ですし、被ばくを重ねるリスクなども出てきます。 

 手術を受ける場合に限らず、診断や治療が難しい病気ほど、医師や病院を慎重に選ぶことが大切です。ぜひ、信頼して身を委ねられる医師や病院を見つけて、納得できる治療を受けてください。