6月22日、小林麻央さんが34歳で亡くなりました。乳がんを公表して以降、ブログ等で積極的に日々の様子を発信し続けたこともあって、検診や治療法に関する関心が高まっています。しかし、いいことばかりのように言われがちながん検診にはデメリットもあり、早期発見は必ずしも患者を幸せにするとは限らない――各誌で医療記事を執筆しているジャーナリスト・鳥集徹さんはそう主張します。がんの予防、検査・検診、治療の各段階において、科学的根拠にもとづいた最適解は何か? 鳥集さんによるがん関連記事をまとめました。
【予防編】「早期発見」より「がん予防」。科学的に裏付けされた予防法とは
検診による早期発見(=二次予防)より、そもそも「がんにならない」こと(=一次予防)が重要。では、がんの原因となる要素は何がどのくらいを占めているのか? そこから分かった「がんにならない」人のタイプを紹介します。
科学的根拠に基づくがん予防 驚異的な効果の“5つの習慣”とは?
現在の第一線の医学研究より、科学的ながん予防法が提唱されています。それによると、主なポイントは6つ。お金を掛けずに自分だけで実践でき、確実な効果が望める「究極の健康法」は、意外にも当たり前なことばかりでした。
【検査・検診編】これまでの“神話”を疑おう――がん検診が害になるとき
芸能人のみなさん、SNSで安易にがん検診を勧めないでください
がんを公表する芸能人がここ数年相次ぎ、がん検診が無条件に良いと言われる風潮に対し、鳥集さんは警鐘を鳴らします。乳がん専門医も「そろそろ“がん検診神話”は捨ててほしい」と話す、その深刻なデメリットとは。
ワイドショーの「がんが早期発見できてよかった」というコメントについて考える
がん検診を受けて早期発見できれば、多くの人が幸運だと思うはず。しかし実態は異なります。本記事では、前立腺がん、早期の肺がん、乳がんを例に挙げ、がんが見つかったことによる生活への悪影響を明らかにします。
「がんの発見率が向上した」というニュースを見れば、期待が高まります。しかし、それによって「がんで亡くなる人が減る」と考えるのは間違い。国立がん研究センターも指摘するように、発見率より「死亡率」が重要です。
2016年1月、米国で「がん検診は意味がない」という衝撃的な論文が発表され大反響を呼びました。一方で“がんになるリスクが高い人”が存在することも事実。“高リスク”の判別法と、その後の対処法をがん種別に解説します。
【治療編】「標準治療」を正しく理解する必要性
麻央さんが亡くなってから、専門医による標準治療の遅れを指摘する報道が一部でなされていますが、これは誤解を招く恐れが。早く治療を始めれば結果が変わっていたとは言い切れない理由は、乳がんのタイプにあります。
小林麻央さん報道で注目 がんの「標準治療」本当の意味を知っていますか?
皮肉にも麻央さん報道によって注目される「標準治療」。言葉の響きから「並」のように思われますがそれは誤りで、現在利用できる最良の治療です。いつか自分が、家族が罹患したときのために、その内容を知っておくことは重要です。