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霞が関を震え上がらせてきた男
すると官房長官の加藤勝信は、任命を拒否した6人について「事務方から説明を受けているので、法律には反していない」と苦しい言い訳をする以外になかった。最後は事務方のせいにする。そこは安倍政権から受け継いだ伝統手法なのかもしれない。
その事務方責任者が菅の頼る官房副長官の杉田和博である。新政権発足後、今井尚哉・首相補佐官兼政務秘書官をはじめ経産出身の官邸官僚たちがお払い箱になる中、警察庁出身の官邸官僚である杉田は生き残った。というより、菅新政権の誕生に奔走し、いまやもう一人の菅の懐刀である首相補佐官の和泉洋人と並ぶ「二人の奉行」として政権を切り盛りする。
コロナ対策の医療政策を一手に取り仕切る和泉に対し、杉田は内閣人事局長として政府内のあらゆる人事に睨みをきかせ、霞が関の官僚たちを震え上がらせてきた。日本学術会議の任命問題では、105人の推薦リストが杉田のもとに届けられ、菅と協議した。
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「文藝春秋」11月号及び「文藝春秋 電子版」に掲載したレポート「菅官邸『今井派追放』と『二人の奉行』」では、もう一人の「奉行」である首相補佐官の和泉洋人の台頭も含め、菅新政権の権力構造の変化を詳らかに書いた。(敬称略)
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菅官邸「今井派追放」と「2人の奉行」
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