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2020/10/18

テレビドラマ『高校教師』で俳優デビュー

 2003年にはテレビドラマ『高校教師』で俳優デビューも果たした。このときのソニンが演じたのは、ホストに貢いで風俗嬢に堕ちていく紅子という女子高生だった。役づくりのために事務所の社長にホストクラブへ連れていってもらったり、自ら歌舞伎町の風俗案内所に行ってパンフレットを見たりもしたという(※2)。

愛猫「もも」とともに 2006年撮影 @文藝春秋

 2004年には、松尾スズキ少女歌劇団の『松尾スズキ物語』において松尾スズキ役(!)で初舞台を踏み、プロレスラーの橋本真也と共演した『あゝ!一軒家プロレス』で映画にも初出演した。同年には『8人の女たち』で2度目の舞台を経験、しだいに演劇への関心が深まり、自分でも積極的に観劇するようになる。

運命を変えたミュージカル『スウィーニー・トッド』

 このころ観た大竹しのぶ主演の舞台『奇跡の人』に感動し、大竹さんと一緒に仕事ができたらと、ミュージカル『スウィーニー・トッド』のオーディションを受けた。見事合格してジョアンナという娘役を得たが、初ミュージカルのうえ難解で知られる作品だけに、稽古は大変だったようだ。それでも2007年1月に幕が開くと、すっかり役にのめり込む。それまで芝居ではなかなか泣けなかったのが、劇中、涙が止まらなくなり、終演後にも感情が収まり切らず、過呼吸になるほどだった。どうしたらいいのかと大竹の楽屋に泣きながら相談に行ったところ、「感情があふれてあふれて、というのは、芝居をやるうえですばらしいことで、役者としては楽しいことでもあるけれど、舞台上で私たちはお客さんにセリフをちゃんと伝えなきゃいけないんだから……」と具体的に教えてもらったという(※3)。

2011年撮影 @文藝春秋

 2008年にはミュージカル『ミス・サイゴン』で主人公のキムを演じる。このとき、舞台上でキムが息絶えるとき、役と自分が同化したように「もうこのまま死んでもいいや」という、これまで感じたことのない純粋で新鮮な感情を抱く。これにより、ステージが自分の居場所なんだと確信することができたという(※4)。