逮捕の直前には訪れていた山口県でもコロナをまき散らして、少なくとも2人を感染させていたことが発覚し、山口県の村岡嗣政知事が「へずまりゅう」を名指しで非難した。
警察施設でもマスクなし
最終的には愛知県内でも原田容疑者から7人がコロナをうつされた疑いが浮上。愛知県の大村秀章知事も非難に加わった。7人のうち6人は警察関係者。原田容疑者は発熱があったにも関わらずマスクの着用を拒否。警察施設でもマスクなしで動き回っていたことが判明している。
司法関係者は「自分がコロナに感染しており、人に感染させる意図を持って感染させていたとしたら、傷害罪に問える可能性もある」とする。
逮捕も厭わず、迷惑行為に走る原田容疑者。だが、そうした存在が現れることは、予見されたことだったともいえる。その予兆は少なくとも7年前に遡る。
「迷惑系」の走り、バカッターとドローン少年
ツイッター上に、レストランの業務用冷蔵庫の中に店員が入っている様子を撮影した写真が載ったのは2013年のことだった。後にステーキレストランチェーンの店だったことが発覚したが、不衛生だとして大騒動となり、同店は閉店にまで追い込まれた。
内輪での極めて悪質な「悪ふざけ」投稿がツイッター上で話題になり始めるのはこのころからだ。その後も同様の不衛生な写真がアルバイト店員から投稿されたそば店が閉店するなどの被害が相次ぎ、「バカッター」なる用語まで誕生した。
ただ、この時点ではいわば「承認欲求」に基づく思慮のない投稿に過ぎなかった。潮目が変わるのはその2年後あたり。動画配信が注目を集め始めた2015年、「ドローン少年」の登場からだ。
「ドローン少年」とメディアに名付けられた少年は、自らの動画配信のため、殺人事件の容疑者の自宅に押しかけたり、国会などにドローンを飛ばそうとしたりした。長野県の善光寺ではドローンが式典中に落下。東京・浅草の三社祭でも同様に落下して威力業務妨害の疑いで逮捕される事態にまで発展した。