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松田聖子、田原俊彦、岩崎良美…40周年を迎えた「1980年デビュー組」の明暗

2020/10/27
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女性アイドルたちの近況

 80年は柏原芳恵、岩崎良美、河合奈保子といった女性アイドルも豊作だった。日本テレビのオーディション番組『スター誕生!』から登場した柏原芳恵は、翌年リリースの『ハロー・グッバイ』でブレイクし、中島みゆきの楽曲などでヒットを飛ばした。現天皇陛下(当時は浩宮徳仁親王)がファンを公言し、リサイタルでバラを贈ったことも話題に。その後は女優業などに進出し、現在も落ち着いたペースで芸能活動を続けている。今年は6月に記念シングルを発売。10月に延期された記念コンサートは、会場から配信も行う「ハイブリッドコンサート」として開催されている。

柏原芳恵さん(左)から贈られたレコードと花束を手にリサイタルの会場に向かわれる浩宮さま(当時) ©共同通信社

 姉・岩崎宏美の縁から芸能界入りした岩崎良美は、この年のNHK紅白歌合戦で、史上初となる姉妹同時ソロ出場を果たしている。85年のTVアニメ『タッチ』の主題歌のヒットを経て、活動の場を舞台やドラマに移したが、後に歌手業も再開。HPを見ると、現在は「片付けソレイル」というルームコンサルタントも始めているようだ。

「西城秀樹の妹募集オーディション」でデビューした河合奈保子は、明るいキャラクターや確かな歌唱力で人気を集めた。96年にヘアメイクアーティストと結婚し、翌年の出産を機に芸能活動からフェイドアウト。現在はオーストラリアに移住して専業主婦をしているが、06年に自作ピアノ作品集を発表し、13年には次女が歌手「kaho」としてデビューしていることもあって、今なお復活を望むファンの声は多い。

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ジャニーズを復活させた衝撃

 この年、まだ権威も大衆の支持もあったレコード大賞で新人賞にノミネートされたのは松田聖子、河合奈保子、岩崎良美、松村和子、田原俊彦の5人。この中で最優秀新人賞を獲得したのは田原俊彦だった。

岩崎良美 ©共同通信社

 ジャニーズ事務所は79年10月から80年3月にかけて放送された『3年B組金八先生』の出演で注目を集めた田原俊彦、近藤真彦、野村義男の3人を「たのきんトリオ」として売り出した。デビュー前からイベントは大盛況となり、その先陣を切ってレコードデビューを果たしたのが田原だ。70年代後半のジャニーズ事務所は低迷期に入っていたが、これで再び息を吹き返し、現在の“帝国”を作り上げていくことになる。

 デビュー曲『哀愁でいと』も大ヒットし、瞬く間にトップアイドルとなった田原は歌番組でも引っ張りダコに。NHK『レッツゴーヤング』など歌番組における松田聖子との共演では、お互いのファンから抗議が殺到したといえば、その人気ぶりがわかるだろう。