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「最初に部屋に来た日に殺しました。お酒を飲んで喋ったりして、キッチン前で話してて…。それから席を立って、玄関に行って、鍵を閉めて、チェーンロックをして、部屋に戻って、いきなり襲いかかりました」
 
 抵抗する女性を押し倒し、首を絞めて失神させてから、レイプしたという。そして、意識がない状態の彼女の首に縄をかけ、もう一方をロフトに引っかけて、首吊りの状態で30分間放置し、殺害したことを説明する。

殺害は「運動をしていないのにドキドキした」

「正直、運動をしていないのに、ものすごくドキドキしました…」

白石隆浩被告 ©️文藝春秋

 当初は殺人に性的な興奮を覚えることはなかったと、当時の状況を振り返る。

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「性行為での興奮はありましたけど、死体にはなかったですね。ただ、殺人を重ねていくうちに、それが生まれて、写真を撮ったりしました」

 ここで、残り時間は5分だと告げられた。いつもならば事件の話はその段階で打ち切るが、白石にはまだ話したいことがあるのか、言葉を続ける。

「1人殺しただけだったら、まだ先があるというか、お坊さんになって供養したり、そのあとに反省を繰り返したりできると思うんです。でも、9人も殺ったから、もう無理じゃないですか」

 そう口にすると、彼は手先で自分の首を切るポーズをしてみせる。

「だから、もういいや、どうだって、って…。家族とかがやって来て、なんとか生き抜いてほしいみたいなことを言われることもないし、あと、面会に来るのも仕込みだったりして、信用できないし…」

白石隆浩被告 ©️文藝春秋

 これは、かつて某週刊誌が、白石の元交際相手を面会に送り込み、取材しようとしたことを指している。

「弁護士も口だけだし、ほんと、どうでもいいやって気になってるんですよね」

 冒頭で彼が切り出した、控訴をしたくないといった話は、こうした自棄になっている気持ちが言わせたのだと理解する。私は「また思うことがあったら聞かせて」と言い、彼は頷いた。

週刊実話 11月12日号 [雑誌]

週刊実話編集部

日本ジャーナル出版

2020年10月29日 発売