著者は、自身も一男一女の子育てに励む教育系ジャーナリスト。取材を重ねる中で、育児関連の情報洪水に疲れた親の多さを感じ、知識の交通整理をすべく本書の企画を立ち上げた。さまざまな教育の理論を「コミュニケーション力」「思考力」「自己肯定感」「創造力」「学力」「体力」の6セクション、100項目に振り分け、参照しやすい形にまとめている。
「『体力』のセクションがあるのが、本書の特徴のひとつかと思います。健康は学びの土台であり、最優先すべきものなのですが、地味なのであまり教育本の主題にはなりません。でも専門家の間でも、これこそが一番大事と強調される方が多いそうです」(担当編集者の三浦岳さん)
読者が実践しやすいよう、ひとつの目的に対して複数の方法を挙げているのも特徴だ。たとえば子供を本好きにする方法として、「リビングに本棚を置く」「読み聞かせをする」「親が本を読む」の3つを提示。どれでも、その親子のスタイルにあったものを取り入れればいい。
「ああしなさい、こうしなさいではなく、行動の選択肢を増やす本にしたかったんです」(三浦さん)
一項目あたり2~3ページで完結するため、活字に苦手意識のある人や、忙しい子育ての合間しか読む時間がない人でも気軽に手に取ることができる。
2020年4月発売。初版6000部。現在9刷15万部