山本被告は「しっかりしなよ！」と床に倒れ込んだ田中被告の頭を叩いて起こそうとしたが、田中被告が立ち上がる気配はなく、山本被告もあきらめて椅子に腰かけた。
「他のお客さんの迷惑になるので、私が倒れている田中を引きずり出して外のタクシーに無理やり乗せました。ですが山本がなかなか帰ろうとしない。山本は田中に『まだ家には帰れないから』と言い、タクシーから必死に降ろそうとしていました。結局うちの店からは出て行きましたが、2人がその後どこへ行ったかはわかりません。
周りにその話をすると、8月初めには他のバーでも同じような出来事があったようでした。あの2人はここら辺一帯では厄介者として認知されていて、“半出禁”のような状態の店も多いですよ」（前出・バーの店主）
岸被告が知人に「（瑠美さんの）顔を殴った」
山本被告と田中被告が酩酊状態で犯行前日である10月19日朝に前出のバーから去った後、山本被告と話したという山本の知人Yさんに話を聞くことができた。
「瑠美ちゃんが亡くなる前日にみゆ（山本被告）と会ったのですが、『もうありえへん！ あの女！』って瑠美ちゃんについて愚痴っていました。何があったか詳しくは分かりませんが、相当怒っている様子でしたよ。あの2人はまさに主人と下僕みたいな感じなので、瑠美ちゃんがみゆの気に障るようなことを言っちゃったのかもしれないですね。
実はその場には岸もいて、『（瑠美さんの）顔を殴った』と平然と言っていた。岸はみゆの言いなりなので、みゆが指示して殴らせたのかな。でもまさか次の日に亡くなってしまうとは……」
瑠美さんを下僕のように扱い、暴力と恐怖で支配していた山本被告。彼女は一体どんな人物なのか。山本被告の実家を訪ねると母親が取材に応じた。そこで衝撃の事実が語られたのだ――。
【＃3に続く】
11月1日（日）21時から放送の「文春オンラインTV」では、担当記者が本件について詳しく解説する。
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