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流れ星・TAKIUE夫婦の「匂わせ合い離婚」に見る SNS時代の‟炎上合戦”の末に広がる荒野

流れ星・TAKIUE夫婦の「匂わせ合い離婚」に見る SNS時代の‟炎上合戦”の末に広がる荒野

ネット上で「エネルギー循環」は実現しているけれど……

2020/11/05
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プロレスにも見える両者のブログ攻勢 

 そんな形で周囲を巻き込みながら、夫婦喧嘩はエスカレートし家庭内別居へ。のちに夫婦カウンセリングに通うも、別居。TAKIUEがブログを再開してから、5か月後、ついに2人は離婚した。正直、ファンたちにもなんとなく結末が見えていたのであろう。

「離婚と聞いて驚かない」「まだ別れてなかったのかって感覚」といった声も耳にした。

 家庭崩壊の様子が事細かに中継されたこの期間は、一体何だったのだろう。

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 まるで「僕たち数か月後に離婚するから見てね」と言われているようでもあった。離婚後も、元夫について負の感情を小林はたびたび匂わせている。あるときは離婚式をブログで報告し、大きな文字で「縁が切れますように」と挑発。さらにTAKIUEが娘への想いを綴ったブログを取り上げては、「あっそ」と3文字で一蹴している(現在、該当記事は削除)。まるでプロレスのマイクパフォーマンスだ。リング上で相手を挑発し、マイクを投げ捨てる姿が見える。

離婚式を行う小林礼奈(画像は小林礼奈オフィシャルブログから)

 そして冒頭のTAKIUEカード不正利用事件につながる。犯人は一体だれなのか。何を匂わせているのか。離婚劇第2章の始まりなのか――。

 ここでふと我に返って考えてみれば、こんな出来事はあくまで家庭内のこと。「内輪の問題を公表するな」と呆れるべきことだ。でも、ここまで赤裸々に語られてしまうと、なぜかみんなが注目してしまう。悔しいが、それが現実なのである。

なぜ彼らは自分たちの恥部を晒すのか?

 ではこの夫婦、なぜこんなことをやっているのか。

 こんなにも恥ずかしい夫婦ゲンカをさらして、誰が得するのか?

 得するのである、本人たちが。彼らは芸能人だ。良くも悪くも、注目されればされるほど、仕事が回ってくるのが芸能界。現に、ネットニュースにも連日取り上げられ、良くも悪くも知名度は増した。

 ブログはアクセス数が集まるほどに得をする。一定のアクセス数があると、広告会社からプロモーションの依頼が来る。人気ブロガーの称号があれば、ビジネスチャンスも広がる。要するに、アクセス数が増えれば儲かる。そしてブログの投稿記事が増えれば、自然とアクセス数は上がっていく。これはブログ界の定説で、近年はそんな需要もこれまで以上に大きくなっている。