コンプライアンスは時代とともに変化していきます。ちょっと前までの常識が、現在では法令違反に!
少し前まで許されていたことが法令違反となる事例を、分かりやすく解説。
弁護士の菊間千乃さんの著書「いまはそれアウトです!社会人のための身近なコンプライアンス入門」で、新しい常識を勉強しましょう。
●設例
友人のスマホを預かっていたとき、たまたまLINEに着信が。つい「OK! わかった」と返信してしまいました。相手は、スマホの持ち主本人だと思ったようです。
やったことがある人 7%
【不正アクセス禁止法違反で3年以下の懲役または100万円以下の罰金?】
【ロックやパスワード保護の
状態にかかわらず違法となる】
家族や友人などのスマホ画面のLINEのポップ表示に気付いたとしても、通常はそのままにしておくと思います。
いたずらで返信することは言語道断ですが、たとえ親切心からであっても、勝手にLINEの返信をするようなことは慎まなければなりません。
返信する際、LINEのログインIDやパスワードを勝手に入力してログインした場合には、不正アクセス禁止法違反となります(同法2条4項1号)。
この場合、3年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります(同法11条)。
「返信できちゃった」はセーフ?
では、ログインIDやパスワードを入力しなくとも、LINEを起動できてしまった、メッセージの返信もできてしまった、としたら、どうでしょうか。
この場合、他人のパスワードなどの入力行為がないのだから、違法ではないとも考えられます。
しかし、使用者の利便性を考慮し、スマホがパスワードやログインIDを覚えているようなときは、LINEを起動する行為やメッセージの返信が、不正アクセス禁止法違反になる可能性があります。
ですから、どのような状態でも、他人のLINEを勝手に見たり、ましてや返信などをしてはいけません。