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「普段ご出社される服装でご参加ください」!?

 さらには、Zoom上では「偉い人は画面上に、大きく表示できる」仕様が入ったのだそうです。その名も「カスタム・ギャラリービュー」機能。この日本の企業文化を馬鹿の方向に振り切らせるかのような陰謀を感じさせる劣悪な設計が実装されてしまったことで、せっかくの最先端な感じのDXが一気に昭和の日本企業に毒された澱む空気を感じさせます。

 さらに、会議が終わると「そのまま繋いでおいてください」というアナウンスと共に、偉い人から順番に画面から消えていき、そして自分も「会議室からBANされる」ことで自動的に会議から退出させられます。なんだ、この酷い社畜モードは。

 他の会社でも「指定された会議の5分前に集まってください。マイクなど音の状態をチェックします」とか「発言の順番はスマホにSNSメッセージで送るので、メッセージが来たらミュートを外して発言してください」などの、何のためのウェブ会議なのか哲学的に悩まざるを得ない謎マナーさえ存在します。

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 極めつけは、会議事務局から送られてくる「ウェブ会議ではございますが、普段ご出社される服装でご参加ください」の但し書き。もうね、この時点で上半身はスーツで下半身はトランクスですよね。お前らのために靴下一足はいてやるもんか。なんとなれば、ミュートしている間は資料を読んでるふりしてTwitterやってやるぐらいの勢いです。バレるとダルいからやらないけど。そのぐらい、ウェブ会議のお作法の世界はイラつくわけです。

©️iStock.com

新たな礼儀が違和感のある失礼を生み出す

 たぶん、Zoomもその他のサービスも日本企業の20人以上参加する会議はザラという文化を知らないで設計していると思うんですよね。ヒントでピントの16分割とかアタック25の25分割のような誰が誰に喋っているのかまったく分からない会議が立ち上がるたび、DXだウェブ会議導入だという以前に「必要な人だけ会議に参加する」という大事な改革事項を日本企業は弁えたほうがいいと思うんですよ。

 ジャーナリストの新田龍さんがこの手の新たなクソマナーを「失礼クリエイター」と呼び、新たな礼儀が違和感を生み出すたびに「そうじゃねえだろ」という気持ちでいっぱいになります。

©️iStock.com

 ウェブ会議も組織目線で「目上の人たちに失礼のないように」手配した結果が、どうしようもないお作法をデジタルに導入してしまい非効率が生まれていることを知らないのでしょうか。

 菅義偉政権におかれましては、ハンコをなくしたあと日本型の変な上司への気の遣い方を改める方向で改革していっていただきたいと思います。

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