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2020/11/09

「ジャンプ」で連載されたスポーツ漫画の歴史

「70年代以前はスポーツの中でも野球の人気が圧倒的でした。それもあってスポーツ漫画といえば『ジャンプ』でもほとんどが野球漫画だった。それから80年代に入ってJリーグの開幕に向け、サッカー人気が高まっていくのと合わせて『キャプテン翼』などのサッカー漫画も出始めたんです。

 90年代に入ってからは野球とサッカーだけでなくテーマとなる競技も多岐に渡るようになってきました。ただ、いずれも前提にあるのは『その競技そのものの人気がある』ということで、それを受けて連載が始まり、連載の影響でさらに競技人口も増え、漫画と前後してリアルでも有名選手が出てくるという好循環ができていたということです」(前出・漫画雑誌編集者)

 例えば90年代に爆発的な人気を博したバスケットボール漫画の『SLAM DUNK』のヒットの下地には、当時のマイケル・ジョーダンを中心としたNBA人気があった。そして、その連載中には国内のバスケットボール競技者数を顕著に増やしている。

1990年から1996年まで連載の井上雄彦『SLAM DUNK』

 連載開始となった90年から競技者数は増え続け、連載終了前年の95年には20万人以上を増員して史上最多となる102万人まで競技者数を増やしている。そして、そんな中から日本人初のNBAプレーヤーである田臥勇太や竹内公輔・譲次兄弟といった、長らく日本代表を支えてきたレジェンドたちが生まれてきたのである。

作品のファンを公言している田臥勇太は日本人初のNBAプレーヤーに ©文藝春秋

 一方で、この割を食った形になったのが同じ体育館でやる球技としてのバレーボールだった。特に90年代の後半からは男子バレー部員の減少は顕著で、その流れは2010年頃まで続く。そしてその流れは代表チームの成績低迷ともリンクしていた。

 そんな風潮を打ち破る原動力になったのが前述の『ハイキュー‼』で、2012年の連載開始直後から中高の男子バレー部員数が増加に転じている。

アイドル的な人気を誇るバレーの石川祐希 ©文藝春秋

 そして連載中には時を同じくして、石川祐希や柳田将洋、西田有志といった現代表を支えるヒーローも登場し、昨年のW杯では28年ぶりに4位に食い込む健闘も見せた。

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