1ページ目から読む
2/2ページ目

これからはファンの応援の力がさらに強力になるはず

 異例の今シーズンは無観客で始まりました。途中から有観客になりましたが、スタジアムが満員になることはありませんでした。無観客のころは雨が降っているとグラウンドにシトシトと降る音までテレビから聞こえました。根岸線の音、救急車のサイレンの音が物悲しく響いていました。5千人入るようになっても、まだまだ拍手などの迫力は小さく、今季不調だった山崎康晃投手の投球時の雄叫びが痛々しくさえ聞こえました。

 1998年もここ数年も、横浜のファンは熱烈だと感じます。ハマスタが満員になればいつだって熱烈ライブです。試合が劣勢でも少し流れが変わるとスタジアムの雰囲気は一変し何かが起こりそうな空気に包まれます。その雰囲気が奇跡をもたらすのか、2017年8月22日、3者連続ホームランによる逆転サヨナラ勝ち。そこから3試合連続のサヨナラ勝ちをしてみたり、2018年8月17日にも8回に3者連続ホームランで逆転勝ちしたり。2019年9月19日には0-7の劣勢から6回に一挙7点で同点に追いつき、逆転勝ち。

 今年はそんな奇跡的な試合がなかなか見られませんでした。ようやくベイスターズらしい勝ち方を見せてくれたのは10月18日のジャイアンツ戦、0-5の劣勢から7回に一挙6点を取り逆転勝利でした。このときの観衆は1万5千人ほど入っていました。やっぱり応援の力はある! そう思えた瞬間でした。ホームの盛り上がりが熱烈なチームほど、今季の入場制限は成績に影響があったかも?しれませんね。

ADVERTISEMENT

 私は学生時代、応援団吹奏楽部に所属し東京六大学野球などの応援活動をしていました。そこで応援団精神が培われたため、応援の力は人を動かせると信じています。NHK朝の連続テレビ小説『エール』でも、応援や音楽によって人を鼓舞する姿が描かれていますね。ちなみに応援の掛け声、フレー! フレー!は、英語の「hurray(万歳などの意味)」が語源だとか。他にも日本語の「奮え! 奮え!」が語源だという話を応援団の先輩に教わったことがあります。応援によって、人を奮い立たせることはできると思います。

 三浦監督は就任会見で、「結束」を掲げました。選手、コーチ、スタッフ、1軍、ファーム関係なくひとつのチームとして結束を固めて戦っていくと言いました。ここ数年もしかしたらチームに足りなかったことなのかもしれません。また「ファンに感動を与えるのではなく、一緒に戦って一緒に喜びたい。皆さんの力を貸して下さい」と。番長が監督なら、お願いされなくても力を貸します。番長の采配なら、どんな采配でも納得しついていけます。なんのわだかまりもなく、全力で、無条件で、心の底からベイスターズを応援できます。応援しない理由がありません。そう思っているファンの方もきっと多いことでしょう。これからはファンの応援の力がさらに強力になるはずです。ミラクルなゲームもたくさん期待できそうです。来季からのベイスターズは、選手、監督、コーチ、スタッフ、ファンが一体になって戦います。

 球団代表は1年でも長く監督をしてほしいと言っていましたが、三浦終身監督……いや、永遠番長は“永遠監督”でお願いします。ヨ・ロ・シ・ク!!

番長フレームを真似した筆者 ©檜山靖洋

◆ ◆ ◆

※「文春野球コラム 日本シリーズ2020」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイト http://bunshun.jp/articles/41480 でHITボタンを押してください。

HIT!

この記事を応援したい方は上のボールをクリック。詳細はこちらから。