盗撮、性暴力被害、金銭の持ち逃げ……
風俗で働く女性の無料生活・法律相談窓口「風テラス」を運営する一般社団法人ホワイトハンズ代表・坂爪真吾氏は、「風俗で稼いできた人が必ずしも領域の異なるパパ活で稼げるわけではない」と指摘する。それどころか最近では、パパ活に不慣れな風俗女性が食い物にされるケースが頻発しているという。
「このコロナ禍で、風俗で稼げなくなった女性がパパ活に参入してトラブルになったという相談はたくさん来ています。多いのは盗撮、性暴力被害、金銭の持ち逃げです。30万円の月極でパパになる契約を男性から持ちかけられて、ホテルへ行った後に音信不通になったケースもありました」
風俗店に在籍していれば、客との取引は基本的に店が担うが、パパ活であれば自分の責任で交渉しなくてはならない。トラブルも自ら処理しなければならない。坂爪氏も「個人でやるのは非常に危ない」と憂慮するが、トラブルに巻き込まれる女性は後をたたない。
「パパ活から流れてきた子は接客が雑」
「多いのは20代ですが、30代や40代といった上の世代の方からも相談が来ます。子どもの養育費や生活費のために始めたけどうまくいかないという声が本当に多くて、切なくなります」
最近は、風テラスの相談の中で「死にたい」と口にする女性が多いという。
風俗の女性が活路を求めるパパ活だが、「密の最たるもの」(育美さん)という風俗と同様の感染リスクがあり、コロナ以前のようにはいかない。経済状況が悪化した男性がパパ活を手控える動きもある。今年5月に取材したパパ男性は、「今、パパ活市場に流れてくる女の子が多いんだけど、供給が増えて需要が減っているからめっちゃ(お手当の相場が)安くなって」いるのだと語っていた(「アフターコロナのパパ活#1」参照)。
仙台市内のデリヘルで働く桃香さん(29)は、パパ活から風俗に流入してくる女性も増えているとしてこう評する。
「お客様が言うには、パパ活から流れてきた子は接客が雑だそうです。外見のかわいさだけで売れる時代は終わったので、彼女たちがこの業界で生き残るのは正直厳しいと思います」