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「本番強要や首絞め。罵倒してくる人も…」いま風俗で働く女性が直面している“危険すぎる現実”

2020/11/16
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いっそ死んでしまった方が……

 そして風俗でも、パパ活同様、男性客とのトラブルが増加していると語る。

「本番(性交)強要や首絞めで身の危険を感じることが増えました。罵倒してくる人はさらに多い。この間もシングルマザーの新人さんと話していたら、『いっそ死んでしまった方が楽なんじゃないか』と言われました」

©iStock.com

 実際、同業女性の自殺の噂もたびたび聞こえてくるという。桃香さんは言う。

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「経済的な問題も出発点にはあるけど、孤立や孤独の方が大きいと感じます。もともと風俗には居場所のない子が多いので、コロナで色々あって心に限界がきても誰にも相談できなくて折れちゃったのかな」

 コロナ禍で女性の自殺が急増しており、10月には前年同月比82.6%増の851人と深刻な状況になっている。「文藝春秋」12月号および「文藝春秋 電子版」では、「女性の自殺はなぜ急増したのか」と題したルポを掲載。

出典:文藝春秋12月号

 ある精神科医は、自殺が連鎖している芸能人と、「死にたい」ほど苦しい風俗女性にはいくつもの共通項があり、時代の空気にいち早く反応する「炭鉱のカナリア」だと語った。彼女たちの反応は他業種にも広がっていくことの前触れである、とも。さらなる悲劇を防ぐためにも、今こそ彼女たちの声に耳を傾ける必要がある。

※育美さん、桃香さんの名前は仮名です。

「本番強要や首絞め。罵倒してくる人も…」いま風俗で働く女性が直面している“危険すぎる現実”

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