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 当然ながら、暴力団と半グレが対立する局面も多い。しかし、幹部らの話からは、その一方で奇妙な共存関係が成り立っていることがうかがえる。

芸能界の一部も資金源に

 半グレの活動資金については、警察当局の幹部は、次のように解説する。

「多くの半グレの資金源は特殊詐欺。『オレオレ詐欺』だ、『振り込め詐欺』だと騒がれ始めたのは20年ほど前。その後、シノギが厳しくなってきた暴力団が途中から乗り出してきて、その中で半グレが暴力団の下請けのように加わってきた。ところが今や、半グレが単独で犯行を繰り返し自らの資金源にしている。手口は次々と新手が出てくる。今年は新型コロナウイルスの感染拡大で政府から様々な給付金が支給されたので、これに便乗した手口が横行した」

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新型コロナウイルスの感染拡大に伴う現金10万円の一律給付に便乗した不審メール(警視庁犯罪抑止対策本部ツイッターより)

 警察当局によると、半グレグループは、特殊詐欺を行っている拠点を一定期間で移転させるなど、アジトへのガサ入れ(強制捜査)に備え常に警戒を怠ることはないという。

 関東連合OBは、半グレの資金源について「芸能界で大きな成功を収めた者もいた」と証言する。

「関東連合で暴走族をやっていても、18歳になるとほぼ卒業することになっていた。一部はヤクザになるのもいたが、大体は正業に就きまともな仕事を始めた。飲食店などが多い。そのほかにはごく一部だが、芸能界に入り込み、大きな収入を得るのもいた。誰でも知っているような人気歌手を抱える音楽会社の仕事に関東連合OBが関与していたのは業界では知られたことだった」

 しかし、ここ数年は、半グレの資金源も変化している。一般住宅に押し入って現金を強奪したうえ住人の殺害にまで及ぶ事件を引き起こすグループも現れており、さらなる凶悪化が危惧されている。(敬称略)