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ANAの現役CAが語る苦境「副業は上限まで働いても月4万弱」「五輪で大量採用が仇に」

2020/11/23

会社の最新情報はネットニュースで知る

 会社の最新情報は、ネットニュースで一報を知ることも多いと斉藤さん。 

「今は搭乗するCAの人数も制限されているので、CA同士で情報を交換する場がないのが現状です。ただ、久々のフライトで後輩と話してわかったのが、“みんな仕事がない”ということ。私たちは、時給が安い若手CAを優先してアサインしていると思っていたんですけど、そもそものフライトが大幅減便してるのでみんな仕事がないようです」 

©iStock.com

 みんな仕事が減っているなか、優先的にフライトを割り当てられているCAもいるという。

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「ANAでは、一部のCAは契約社員で働いています。その多くは、子育て中や介護中など、プライベートを優先したい人たちです。役職につくことはなく、接客専門の人たちなのですが、どうやらANAでは今、この契約社員のCAを優先してアサインしているようです。というのも契約社員は最低フライト時間が保障されているので、優先的にアサインせざるを得ないとか」 

契約社員CAからも不満

 こうした現状から、一部CAのあいだでは「会社が守るべきは正社員CAでは」という声が上がっているという。一方で、優先的に搭乗している契約社員CAの立場では「フライトが多すぎる」という人もいると聞きます、と斉藤さん。

「契約社員CAの多くは子育て中や、夫が大黒柱なのでお金の心配がないなど、自分の生活と収入が直結していない人がほとんど。この前会った契約社員CAは『自分の働きやすさを優先して契約社員になったのに、正社員よりも働かされている』と困っていました。お互いにないものねだりになっていますね」

 状況が目まぐるしく変化するなかで、現場はかなり翻弄されているようだ。