4月7日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、政府は7都府県に対して「緊急事態宣言」を発令した。依然、都市部を中心に感染者は増加し続けている。患者が病院に押し寄せることで医療体制の崩壊を招いたり、医師や看護師が使う感染防護具が不足したりするなど、今後もさらなる混乱が懸念される。

 そんな中、CA(客室乗務員)らが防護服の縫製を支援する方向という報道があり、批判が集まった。突然、当事者となったANAのCAが現在の胸中を語った。

「CAも手伝うということで申し出があった」

 この問題に注目が集まったのは、西村康稔経済再生担当相の発言がきっかけだった。あらためてこれまでの経緯を振り返る。

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西村康稔氏 ©JMPA

《西村康稔経済再生担当相は8日のBSフジの番組で、新型コロナウイルス感染拡大に対応し防護服を確保するため、休業中の航空会社の客室乗務員(CA)らに縫製を支援してもらう方向で調整していると明らかにした。西村氏は「エアラインのCAも手伝うということで申し出があった」と語った。》(時事通信社4月8日)

 なぜCAが防護服を縫製することになるのかと、SNSを中心に「女性差別」「縫製職もCAも軽んじている」「戦前的」などと批判が相次ぎ、ハッシュタグ「#縫製職なめんな」まで生まれた。

※写真はイメージです ©iStock.com

 実は、安倍首相は7日の会見で、「欠航が相次ぐエアラインの皆さんは、医療現場に必要なガウンの縫製を手伝いたいと申し出てくださいました」と述べており、西村氏の発言に先立って、ANAのCAらがその一例であるように報じられていた。

《ANAホールディングス(HD)が、新型コロナウイルスの感染拡大で休業中の客室乗務員らを活用して医療用ガウンの縫製に乗り出すことがわかった。》(産経ニュース4月7日)