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《近藤真彦不倫処分》ファミリー主義を捨てたジャニーズ事務所が目指す「〇〇主義」とは?

2020/11/21

genre : エンタメ, 芸能

note

 さて、近藤真彦の不倫報道、そして活動自粛の宣言。これをどう受け止めるべきか。むずかしい。衝撃なわけではない。50代の元アイドルの不倫に人はいまさらおどろかない。マッチファンであっても、いまどきは事務所がもみ消せないんだ? と疑問に思うくらいのもの。

 そして、そもそもSixTONESやSnow Manのファンにとっては、お父さんよりも歳上であろう、近藤の不倫をどう見るだろう。多分どうでもいいと思っているはずだ。さらには、活動自粛を言うほど、普段活動してましたっけ? マッチのスキャンダルで困っているのは、タイミング悪く雑誌の表紙に起用してしまった『週刊朝日』『AERA』『サンデー毎日』くらいのものか。

タレントの離脱が相次ぎ、岐路に立つジャニーズ事務所 ©AFLO

 近藤真彦を現在のジャニーズ全体の長兄として見る見方がある。カウコンのメドレーのヒエラルキーでもまさにマッチは大ボス。長男、長兄の位置である。最後の最後に、一番歌が下手であろうが、一番の大物然として現れるのだ。

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ファミリーである限りは守られるが

 ジャニーズはファミリー。それはどういうことか。ジャニーズの若手は、デビュー前に長い時間の育成期間を経るのが一般的。その後グループに属し、デビューする。そして、その活動が定着したら、末永くそのポジションに留まることができる。

 本来、その瞬間の実力だけで評価される芸能界にいながら、時間をかけて成長を見守ってくれる事務所とファンがいるということがジャニーズの特殊さである。そして、このファミリー主義の中では多少の“やんちゃ”をしてもお咎めを免れたりもする。単に事務所が“対メディア”で圧力をかけてスキャンダルを握りつぶしているだけにも見えるが、構成員を守るその権力をつくったのは、過去の先輩たちである。ファミリーとはそういうこと。

東山紀之

 一方、ファミリーとして守られるのは、ファミリーに忠誠を誓っている間だけである。忠誠度の再確認が“カウコン”のもうひとつの側面である。往年の光GENJIファンは、「アッくんまだいたんだ」などと、今も彼がファミリーの中で居場所を与えられていることを確認しながら、レジェンドコーナーを温かい目で見ているかもしれない。

 しかし彼以外のメンバーが、芸能界で一定のポジションを築くことなく去っていった現実もある(実は内海光司もまだジャニーズ所属)。カウコンに登場するレジェンドたちは、この事務所に一度も反旗を翻さなかった人々。それは、カウコンが発している裏のメッセージだ。ファミリーは、はみ出したものに厳しい。