近藤真彦の不倫報道を聞いて最初に思い出したのは、ジャニーズの年越しカウントダウンへの影響のことだった。

 12月31日の年越しをコンサートとともに迎える毎年恒例のジャニーズカウントダウン、通称“カウコン”。若手からベテランまで多くのグループが参加する公演は、ファンにとってもジャニーズ事務所にとっても特別な存在だ。公演のチケットはどのジャニーズのグループの公演のチケットよりも倍率が高い。

近藤真彦 Johnny's netより

 ちなみに、この日の深夜1時2時の東京ドームを娘たちを迎えに来る他県ナンバーがぐるりと取り囲むのだが、これも特別な光景だ。関東近郊ならともかく、静岡、愛知なども目立つ。プレミアチケットを手に入れたファンたちは、遠くからわざわざやってくる。そして、家族団らんの元旦を過ごしたい父親母親は、それを車で迎えに来るというわけだ。

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 そのカウコンが今年は開催されない可能性が高い。ジャニーズ事務所は、2020年の年内いっぱいの有観客コンサートの中止を発表済み。カウコンも例年の申し込み開始日時を過ぎてもまだ発表がない。同日の嵐の生配信ライブの開催が発表、大晦日NHK紅白歌合戦に、ジャニーズ所属のグループ7組の出場が決まっているが、それでジャニーズが安泰かというと違う。カウコン中止は、嵐の活動停止、相次ぐ貢献メンバーの事務所からの離脱など以上にジャニーズの根幹を揺るがしかねない事態である。

年内で活動休止する嵐 ©文藝春秋

カウコンの大トリはマッチの指定席

 カウコンがどう特別なのか。この日は、多くのジャニーズ事務所のグループが登場し、歌って踊ってカウントダウンを行う。関ジャニ∞が嵐の曲を歌うなど、日頃の持ち歌以外を互いに歌い合うメドレーを披露するのだが、これが最大の目玉である。

 ファンは普段の“推し”が、別のグループの歌を歌う場面を眺め、他グループと交流したりするのを楽しむ。日頃は推しグループやメンバーに愛を注ぐファンも、この日は他のグループにも触れることができるのだ。

 メドレーリレーの後半に登場するのは、ジャニーズのレジェンドたち。元光GENJIの佐藤アツヒロ、さらに元男闘呼組からは岡本健一が、少年隊からは東山紀之が、そして大トリに近藤真彦が出てくる。

 これを豪華OBたちの降臨ととるか少年の季節を離れて四半世紀も経つ老兵たちを生暖かく見守る介護的な枠と見るかはともかく、脈々と受け継がれてきたジャニーズの歴史の上に今のジャニーズのグループたちが存在しているのだということを突きつけてくる。