新井被告は「受け入れられているのかと思った」
一方の新井被告は被告人質問の際に「女性の証言を聞いて本当に嫌だったんだな、と反省している」と謝罪しながらも、「体をなめた際に、女性が嫌がったりする様子は特になかった」と話し「(犯行当時は)受け入れられているのかと思った」と訴えた。
ズボンも「すんなり脱げた」として、口では嫌がっていたが、物静かな様子だったとして、女性が抵抗していないと思ったと主張。「入れないで」とは言われていないとして、女性が性交を受け入れていると誤解した旨を訴え、無罪主張をしたのだ。
一審の法廷で新井被告は、自身の行為がありふれたことであるかのような主張もしている。
心象を悪くした新井被告の”武勇伝”
新井被告は、過去に性的サービスのないはずの純粋なマッサージ店で性的サービスを受けたことがあることや、事件後に被害女性が勤務していたマッサージ店の別の女性と性的な行為をしたとも証言。検察官からの質問に、デリバリーヘルスでも禁じられた本番行為をしていたとも明かした。
「女性との性行為に苦労はなく、今回も同意の上だった」とでも言いたいのか、心証は非常に悪くなっていた。
さらに新井被告は「合意があった」と無罪を主張しながらも、被害女性の帰り際に現金を渡したり、事件発覚前に1千万円や2千万円を提示して、被害女性との示談を試みている。しかし当時は「金で解決しようとしている」と女性との示談は叶っていない。
一審判決後に被害女性が慰謝料300万円での和解を受け入れたのは、実刑判決あっての和解で、新井被告が期待したと見られる「宥恕」(被害者が加害者の罪を許すこと)は得られず、被害女性の処罰感情はいまだ強い。
法廷でも自身の性的な「武勇伝」を披露したり、金で解決しようとしたりと真に反省しているとは思えない態度をとっている新井被告。所属事務所は契約を解除し、頼みの控訴審でも実刑判決となった。被害女性から許しを得るのは、到底、難しいだろう。