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「きのうの敵」が自民党から出馬する理由は?

 この数日後、事態は急転する。

「3県議出馬の意向表明 自民支部 泉田氏擁立透明に」(9月10日)

「『泉田氏ノー』に押され 各地域支部 違和感強く」(同)

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 魚沼エリアの3県議が急きょ名乗りを上げたのだ。

 名前をみると「皆川雄二」「宮崎悦男」。あ、各支部のまとめ役として報じられていた人たちではないか! 「泉田氏が出るぐらいなら地元県議のあんたが出ろ」と言われている様子が目に浮かぶ。

 実際に「地元から適任者を擁立し、育てるべきだ」「中山間地の思い、実情を知っている人が望ましい」という支部関係者の発言が掲載されていた。

泉田氏の地元は新潟4区だが、現在ここは金子恵美議員の選挙区 ©山元茂樹/文藝春秋

 そもそも泉田氏はなぜ自民党から出馬するのだろう? そしたらこんな記事が。

「泉田氏、民進出馬要請断る」(9月12日)

 実は民進党県連も泉田氏に野党からの出馬を打診したが断られていた。泉田氏は「野党で出る気はない」と答えたという。

 ここで今月初めの「新潟日報」を読み直してみた。自民党から出馬する答えを見つけるためだ。

 9月3日に「泉田氏は次期衆院選で地元の新潟4区からの立候補を模索していたとされ、」という記述があった。だいぶ態勢ができあがっていたという。

 では、なぜ今回地元(4区)ではない隣の5区の補選に出るのか?

 この疑問が解ける解説もあった。

《党本部関係者は二階幹事長の「算段」を解説してみせた。「4区では二階派の金子恵美衆院議員が3選を目指しているが、情勢が芳しくない。4区で泉田氏が出れば、さらに形勢は不利だ。泉田氏は5区から出てもらった方が都合がいい」》(9月3日)

 これはわかりやすい。二階幹事長の派閥の都合も大きかったのである。

二階幹事長 ©石川啓次/文藝春秋

 でも「中央」の、しかも一派閥の都合で候補者を選ばれたら、そりゃぁ地元では不満が出るはずである。