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運行技術と磁力コントロールの進化

 ハッキリ解った変化は着陸時のショック低減だ。減速してタイヤ走行に移る際に、5年前は飛行機の着陸時のようなショックを感じた。今回はほとんど感じない。風切り音が低くなり、走行音が大きくなって「着陸したようだな」と思うレベルだ。これは900番台も950番台も同じ。つまり車両側の工夫ではなく運行技術、軌道と車両の磁力コントロールの進化だと思う。

 その代わり、身体の下方へ向かうベクトルが減り、前方へのベクトルが大きくなった気がする。つまり急な減速時に前方に持って行かれやすく、足を踏ん張りたくなる。減速距離を伸ばして緩和すると所要時間が延びてしまうから、座面を摩擦の大きい素材にするか、水平座面ではなく、座面の前方をやや高くするなどの工夫が必要だと感じた。

L0系900番の中間車 東海道新幹線車両に似た作り

車内の騒音も軽減

 もうひとつ、車内の静音化も課題だ。スマートホンの音圧測定アプリで計測したところ、時速500km/hのとき、900番台は約96dbだった。これは東海道新幹線と同じ数値だから、このレベルを維持したことがすごい。しかし950番台は100dbを超えていた。新型は騒音を軽減する素材を使っているという話だったけれど、新型のほうが騒がしい。これはどういうことだろう。もっとも、スマホの録音マイクしか使わないアプリの計測だし、厳密に同じ席や同条件で計測したわけでもないからアテにならない。

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L0系900番台の室内騒音を測定。東海道新幹線とほぼ同レベル。ちなみに音響情報サイトによると、スマホの音圧測定アプリは実際よりも高めに出る傾向があるという

 この写真をJR東海に示して、正規の測定データを知りたいと問い合わせたところ「具体的な数値は非公開ながら、簡易測定で新型は旧型より数db低い数値」という回答を得た。安心した。やっぱり新型車両は進化している。