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“私ってこう見えてるの?”と思うけど…美容師も悩んでいる「客の前にどの雑誌置くか問題」

2020/11/29
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美容室に常備している雑誌とは

 当然ですが、美容室の本棚の容量は限られています。本屋さんの様に全ての雑誌が網羅されている訳ではありません。 

 ファッション誌は年齢別、男女別に合わせて、広く多めに用意していることが多いです。その他にライフスタイル系、食、観光、文芸、カルチャー、スポーツ、芸能の情報誌など、その美容室で扱うことが多い雑誌を厳選しています。   

 なので、美容室の客層によって用意する雑誌も変わります。マンガを置くところもあるし、同じ雑誌を何冊も用意することもありますが、予算の問題もあるため、お店の客層に合わせたラインナップをしています。 

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 客層が限定される美容室では、その層以外の雑誌をあまり置きません。例えばおばちゃん美容室に『Seventeen』を置いても、『Seventeen』を読みたいお客様が来なければ経費の無駄使いです。キッズ向けの美容室に『FINEBOYS』を置いても、子どもを連れてきたパパですらそれを開きません。 

©iStock.com

 その雑誌を1ヶ月に何人のお客様に出すのか。そのことを考慮に入れると、客層から外れた雑誌は用意しにくく、最低限になります。 

雑誌を置くときに美容師が注意していること 

 僕はトラブルやクレームと言うほどのアクシデントに遭遇したことはないですが、特に気を付けているのは、先述したお客様とターゲットとしている年齢層の違う雑誌を置いてしまうことです。雑誌によっては表紙に『35歳』『40代』など具体的な年齢が書かれていることもあります。 

 また、未婚の方に「ママ雑誌」を置いてしまうこともできるだけ避けています。例えば『VERY』は30代のママ世代に人気の雑誌ですが、「コンサバでキレイ目のファッション誌」として未婚の方にお出ししてしまうと、「私結婚してないし、子供いないし」と思うはずです。 

 なので美容室には、幅広い年齢層にお出しできる雑誌が好まれています。例えばライフスタイルを提案する雑誌は、広い層の女性の悩みに応えていたり、テーブルに置いてあるだけでお洒落な印象を与えてくれます。