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 この結婚は日本国憲法に基づくというフレーズは、今回の誕生日会見でも「憲法にも結婚は両性の合意のみに基づいてというのがあります」と述べられており、秋篠宮の考えがこの時から変化していないことを示している。結婚を認めるというのは個人としての自由を認めるというこれまでの教育方針、そして秋篠宮の生き方を反映したものでもあった。

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シーソーのように皇太子家と秋篠宮家の関係性が逆転

 一方で、「広く国民の祝福と理解を得る」というのは、「平成流」に代表されるような戦後の象徴天皇制の流れでもあった。これもまた、今回の誕生日会見でも出てくる。秋篠宮のスタンスは、2018年以降、変化していないと見てよいだろう。そしてこの年の誕生日会見で、「今いろんなところで話題になっていること、これについてはきちんと整理をして問題をクリアするということ(が必要)になるかもしれません。そしてそれとともに、やはり多くの人がそのことを納得し喜んでくれる状況、そういう状況にならなければ、私たちは、いわゆる婚約に当たる納采の儀というのを行うことはできません」との宿題を課したのである。

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 それを受け、翌2019年1月には小室圭さんから金銭トラブルについて説明した文書が公表された。ところが、週刊誌や情報番組での報道はそれで止むことはなかった。皇室、小室家に関する様々な動向が報道され、その姿勢が問われた。ネット上でも批判は続けられた。2019年5月の「代替わり」前後になると、皇太子家への注目が高まり、それと反比例するかのように秋篠宮家は停滞しているかのように見えた。まるでシーソーのように、平成期に見られた関係性が逆転したのである。即位を控えた皇太子への期待感からだけではなく、眞子内親王と小室圭さんの結婚問題は、秋篠宮家のイメージに暗い影を落としたのではないか。

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「結婚と婚約は違いますから」に込められた秋篠宮さまの思い

 そして一連の「代替わり」儀式が終了した2020年11月13日、眞子内親王は結婚に関する「お気持ち」を表明した。「私たちにとっては、お互いこそが幸せな時も不幸せな時も寄り添い合えるかけがえのない存在であり、結婚は、私たちにとって自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択です」と、皇族にとってはめずらしいほどに自分の意思を表現した文章とも言える。

宮内庁提供

 これを受けた秋篠宮の誕生日会見での反応は、やはり子どもの強い意思を受け止め、結婚を認めるというものであった。しかし、皇嗣として象徴天皇制のあり方を考えたとき、説明が必要だと強調したのである。父親として娘の意思は尊重しつつ、家としては認められない。その意識が、「結婚と婚約は違いますから」という言葉にあらわれたのではないだろうか。