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佐渡直送イカ瓦干、だだちゃ豆……夜の新潟祭りがはじまる

「がんぎ」のそばは、注文後丸麺を茹でるので、コシは強くやや緑がかった綺麗な麺線である。つゆはいわゆる新潟の甘いつゆではなく、しっかりと返しと出汁の利いたタイプで丸麺にマッチしている。天ぷらも昼時以外はほぼ注文後揚げるというスタイルで、しかもかき揚げは大きい。

 昼はお弁当も販売していて結構ごった返しているので、「がんぎ」を楽しむには夜に行くのがおすすめ。新潟の地酒をキューっとやって、〆にそばをいただくのがオツである。これぞ、夜の二毛作。

地酒が呑めるなんて

 夜の黒板メニューは多彩だ。酒は朝日山、麒麟山、久保田、清泉など新潟の銘柄をラインナップ。おつまみには佐渡直送イカ瓦干(310円)や季節によってはのっぺい汁、だだちゃ豆など、旬の新潟食材が並ぶ。つまみはどれも260円から500円以内。

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 店長の篠山さんと常連さんとの掛け合いもなかなかよい。

納豆おろしもうまい

 そばはもりそば(360円)や、かき揚げもりそば(470円)が人気である。コシのある丸麺がたっぷり盛られて登場する。夜ならやや硬めに茹でてもらうこともできる。胡椒をかけて食べる常連さんもいる。

「がんぎ」の旨さを表わしているのが納豆、海苔、大根おろし、かつお節、わかめがのった納豆おろしそば(570円)、納豆のかわりになめこがたっぷりのった「なめこおろしそば」(570円)などの冷たいそば。

社長のイチオシは「にしんそば」

 そして、社長イチオシが、にしんそば(580円)である。新潟からにしんを仕入れ、あたたかいそばでもつめたいそばでもうまいという。早速、つめたいにしんそばをいただいたのだが、ホクホクに炊いたにしんは臭みなど皆無で、色も浅めで炊いてあるので色合いも大変きれいだ。

 

 最近は、飲んだ〆に丁度いい「しめそば」というありがたいメニューも登場している。ちょこっと食べたい人向けの、量の少ないそば。

 何度か夜に伺ううちに、店長さんや常連さんとも挨拶したり世間話をしたり。新潟出身の方が一人でぶらっと飲みに来たり、近所で働く女性がそばを楽しみに集っている。岩田社長はふるさと新潟に「がんぎ」を出店するのが夢だそうだ。

 東京でへぎそばといえば敷居が高い店が多い。絹糸の張りを持たせるために、コメの糊を使わず、古くから「布のり」を使っていたというへぎそばは新潟県の小千谷や十日町などの魚沼地方の人々に長く愛されている郷土そばである。手ごろな値段で食べられる「がんぎ」はありがたい存在である。

今晩もふらっと

写真=坂崎仁紀

INFORMATION

がんぎ新川一丁目店
(他に新川二丁目店、三田店あり)
東京都中央区新川1-2-10
営業時間
8:00~21:00
定休日
土日祝