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自宅隔離期間中に外に出たら“銃殺&火炎放射”…衝撃の「コロナ怠慢罪」
しかし、金正恩は締め付けを弱めるどころかますます強化し続けている。8月には中国との国境から内陸1~2キロの区域を「コロナ封鎖ライン」、いわば緩衝地域に定め、「無断でこの封鎖ラインを越えたものは、人でも動物でも銃殺せよ」という指示も下した。非正規ルートでの入国を避けるため、中朝国境の一部に地雷を埋めているともいわれている。
さらに、北朝鮮の朝鮮中央通信が11月29日に明らかにしたところでは、「国境と境界沿線(軍事境界線)地域で縦深深く封鎖障壁を構築して、警備体制を強化している」という。本当に北朝鮮が「壁」を築いているかは確認されていないが、警戒の程度は並大抵ではないことはたしかだろう。
さらに、11月3日には韓国国情院が「北朝鮮がコロナウイルス感染防疫のため、非常防疫法に“コロナ怠慢罪”を新設し、コロナを管理できなかった罪を犯した幹部に死刑宣告まで可能にするよう規定した」と明らかにした。新型コロナウイルスへの防疫対策に失敗したり参加しなかった場合、最高で死刑とするというあまりに過激すぎる防疫政策がとられているのである。
実際、10月にこの国境の緩衝地域を訪問した朝鮮労働党経済部長は「緩衝地帯を訪問した者は平壌に入る前に(指定した場所で)30日間自ら隔離生活せよ」という金正恩の「コロナ隔離指針」をやぶってすぐに平壌に戻った結果、責任を問われて幹部たちの立ち会いのもと銃殺され火炎放射器で焼却されたという。
「コロナ隔離指針」に違反して処刑されたのはこの部長だけではない。羅津で中国と貿易業を営む人物も、隔離期間中に銭湯に行ったという理由で2月16日に処刑されている。