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2020/12/11

「読まれるからです。分かってますよ、フィギュアスケートの熱心なファンの人たちの言いたいことも。でも、他のどの選手よりも注目されているのは揺るがない事実。そうであれば、メディアは取り上げざるをえないんです」

「他の選手にはない表現力」

 本田が注目を浴びるようになったきっかけとしては、きょうだいの存在が大きい。真凛は、姉と兄、それに妹が2人いる5人きょうだいの二女である。三女の望結は『家政婦のミタ』出演で人気子役となり、その後も映画やバラエティなどで活躍してきた。そして四女の紗来は、小学生の頃から「フィギュアスケートの将来を担う」と期待を集めてきた選手。テレビで三姉妹セットで見たという人も多いだろう。

2015年の本田真凜 ©文藝春秋

「彼女を通じてフィギュアスケートを知った、興味を持ったという一般の人も少なくない。そういう意味では、実はフィギュアスケート界への貢献度はかなり高い。客寄せパンダと言われても、実際に注目度を上げている以上、むげに扱っていい存在ではない」(同前)

 また別の記者も、これだけ長期間成績を出していないのに注目度が下がらないことには理由があると指摘する。

「なんだかんだ言って、真凜自身に魅力があるんですよ。ほかの選手にはない表現力があるし、男性のファンをつかんでいるのも特徴。『本田真凛が好き』というとフィギュアファンから白い目で見られるので公言しづらいですが(笑)、想像以上に彼女を気にかけている人は多い。それに、フィギュアファンの中にも彼女に期待している人は結構いるんですよ」

 今でこそくすぶっている本田だが、実は世代のトップ選手だった時期がある。その時の演技はフィギュアファンの間では今も語り草だという。

「本当はもっとできるのではないか」そう思わせる何かを持っている

「まだジュニアだった頃の真凛は、『浅田真央の次はこの子に違いない』という存在でした。中学2年生で出場した2016世界ジュニア選手権で優勝。優勝するだけでも日本女子で7人目、しかも中学2年生での優勝は浅田真央以来という快挙でした。

ジュニア時代の本田は世界のトップを争う存在だった ©文藝春秋

 中学3年生で出場した2017年の世界ジュニア選手権でも銀メダルを獲得し、その時のフリー『ロミオとジュリエット』は、演技後も拍手が鳴りやまない名演でした。その時優勝を争ったのが後に平昌オリンピックで金メダルを獲るアリーナ・ザギトワで、世界中の人が真凛を世界のトップを争う才能と認識した大会でもありました」(同前)

2017年の世界ジュニアで銀メダルを獲得 ©文藝春秋

 その翌シーズンからシニアに転向したが、平昌オリンピックの日本代表枠を逃し、それ以降は足踏みが続いている。

「でも、あの頃の輝きをもう一度見たいんです。忘れがたい。だから期待してしまうんです」

 テレビ由来の知名度だけでは、ここまで注目は持続しない。「何か持っているのではないか」「本当はもっとできるのではないか」そう思わせる何かを持っているからこそ、本田真凛に多くの人が注目し続けているのだ。おそらくはアンチでさえも「もしかすると化けるかもしれない」と恐れているからこそ、切って捨てづらい部分があるのではないだろうか。

 NHK杯の中継を見返しても、やはりジャンプが決まっていないし、2017年の輝きには程遠い出来だった。それでも、はっとする瞬間があって、目を奪われる。

 あの輝きをもう一度。その期待に本田真凜が応える日は来るだろうか。

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