渋谷から20分…「たまプラーザ」到着
渋谷駅から田園都市線の急行で約20分、たまプラーザ駅に着く。そしていきなり驚いた。ホームから階段を登って改札口のあるフロアに出ると周囲を巨大なビルが取り囲んでいるのだ。取り囲んでいるというよりはむしろビルの中に駅があるというのが正確か。ビルの名は「たまプラーザテラス」というらしい。
アパレルから飲食まで、あらゆるおなじみのテナントの看板が目について、まるで神殿のごとく駅の真上にそびえている。その中にあっては、小さな改札口とその下のホームはまるで目立たないくらいだ。平日の日中にもかかわらず、改札口の外(つまりそこはもうたまプラーザテラスだ)には老若男女が盛んに行き交っている。
正直なところ、たまプラーザという駅名から“楽しいところだろうな”と思ったのは昔のことで、寂れたニュータウンなんじゃないかと想像していた。こんなににぎやかで立派な駅などとは思ってもみなかった。三茶(三軒茶屋)やニコタマ(二子玉川)、いやそれ以上の大きな駅だ。だから平伏叩頭跪坐低頭、たまプラーザの皆さんには伏して謝らなければならぬ。ゴメンナサイ。
どうして巨大な駅ビルが? 駅長さんに聞いてみた
ただ、あまりにも商業施設のインパクトが強すぎて掴みどころがないのも事実。いったいたまプラーザ駅はどんな駅なのかはあまりわからない。どうしてこんなところに巨大な駅ビルがあるのか。そこで東急電鉄の駅長さんに教えを請うことにした。
驚くべきことにたまプラーザ駅には駅長さんはおらず、お隣の鷺沼駅が管轄している。話を聞かせてくれたのは、鷺沼駅の柴沼俊彦駅長だ。
「基本的には周辺にお住まいの方が通勤や通学でお使いになる駅ですね。あとは2010年にこのたまプラーザテラスがオープンしたので、休日には買い物のお客さまも来られます。また、羽田空港まで直通のバスが出ているので、こちらを利用する方もかなり多い印象ですね」(柴沼駅長)
羽田空港へのバスはもとよりこの一帯ではたまプラーザ駅を発着していたが、今年3月に首都高神奈川7号横浜北西線(横浜環状道路の一部)が開通し、羽田空港まで50分程度で行けるようになった。おかげで、朝6時台の空港行きのバスに乗るべく早朝からこの駅にやってくる人もいるという。