いわゆる多摩地区と呼ばれる東京の西部、中でも中央線の沿線で暮らしていると、都心に出るときに三鷹駅や中野駅から地下鉄東西線を使うことがある。この東西線、九段下や大手町、日本橋などを通って都心を貫き、最終的には千葉県に飛び出て西船橋駅までを結んでいる路線だ。そして西船橋駅からは、東葉高速鉄道という路線に乗り入れている。その終点が、今回訪れた東葉勝田台駅である。
「東葉勝田台」には何がある?
この東葉勝田台駅、東西線を使っている人なら必ず目にしたことがあるはずだ。電車の中やホームでの案内放送でも、「東葉高速線直通、東葉勝田台行きです」などと言っている。その存在を改めて意識することはなくとも、東西線ユーザーの深層意識に刷り込まれているに違いない。
そもそも、“東葉”ってのがよくわからない。東京の“東”と千葉の“葉”を取ったのかしらと推察するが、1文字目と2文字目の合体とはなんともアンバランス。まあ、2文字目どうしを合体させた京葉線が既にあるし、1文字目どうしでは“東千”となっていかにも語呂が悪い。で、そんな東葉高速線の終点の東葉勝田台駅。うーむ、まったくどんなところなのか想像がつかない。まさしく、ナゾの終着駅である。
トンネルと高架をくり返し“終着駅”へ
というわけで、東西線に乗り込んで東葉勝田台駅を目指した。首都圏のナゾの終着駅はずいぶんたくさん訪れてきたが、ほとんど乗り換えを強いられずに遠方の終着駅まで行くことができるのでありがたい。
都心を東西に串刺しにする東西線のさらに先まで行くだけあって、東葉勝田台駅はなかなかに遠い。東西線で中野駅から西船橋駅まで快速に乗って約50分。そこから東葉高速鉄道に直通して約20分。乗りっぱなしが楽とはいっても1時間を超えると少し辛い。
東葉高速線は、千葉県の下総台地上を走る路線だ。開通したのは1996年と新参者。同様に下総台地を走る路線に京成本線や北総鉄道があるが、両者の中間地域をカバーしているのがこの路線といっていい。なだらかながらも起伏に富んだ下総台地をゆく路線だけあって、トンネルと高架を繰り返しながら終点を目指す。