東急田園都市線といったら、誰もが知っている首都圏を代表する通勤路線だ。三軒茶屋や二子玉川などのよく知られる町をつないで走り、都心では地下鉄の半蔵門線と直通、さらに東武スカイツリーラインにまで乗り入れて久喜や南栗橋まで駆け抜けるという大動脈の一部でもある。
……と、そんな説明は田園都市線(やその直通先)を利用している人も多いだろうから不要だろう。筆者とて、実はたぶん数えるくらいしか田園都市線に乗ったことはないが、その存在の大きさはよく感じるところである。そこで路線図を見ているとどうしても気になってしかたがない駅があった。わかりますよね、たまプラーザ駅のことだ。
「たまプラーザ」には何がある?
たまプラーザ駅、もう字面からしてツッコミたくなる。“たま”はひらがなで“プラーザ”はカタカナ。なぜかプラザではなくて音引きが入ってプラーザというのも変わっている。高輪ゲートウェイ駅ではないが、今でこそカタカナやひらがなを使った駅名も珍しくなくなった。
けれど、たまプラーザ駅が開業したのは1966年だ。きっと相当なインパクトをもって受け止められたに違いないと思う。プラーザってなに? などと学校では少年少女が議論を繰り広げ、会社でもいったいどんなところなのかと話題沸騰。
筆者は開業当時には生まれていないのでまったく知らないが、この駅の存在を知って「なんだか楽しそうなところなんだろうな」と思ったことを覚えている。プラーザ=プラザ、プラザといえばソニープラザの世代だからだ。京王プラザホテルのような存在は知らず、プラザといえばソニプラかたまプラ。たまプラーザ駅はとっても楽しい駅なのだろうと思うのも無理はない。
日本の「プラーザ」はじまりの地
少しウィキペディアあたりを調べてみると、プラザという名は商業施設やホテルなどいろいろな施設に使われているが、その日本における先駆けは1969年に開業した大阪のホテルプラザだと書いてある。鈴木剛という財界人が、スペイン語で言うところの“広場”を意味するプラザという言葉を知って名付けたのが最初、というわけだ。
が、たまプラーザ駅はホテルプラザより早く1966年の開業だ。いやいや、プラザとプラーザという違いはあるにせよ、我が国のプラザ(プラーザ)ことはじめは、たまプラーザ駅にほかならないのである。
そうは言ってもほとんどたまプラーザ駅を訪れる機会はないままオトナになってしまった。机上であれこれ妄想を繰り広げていても意味がない。いったい、たまプラーザ駅はどんな駅なのだろうか。そこはもう、現地に行ってみるしかなかろうというわけである。