16歳でレディースを立ち上げ、さらにはCDデビューまで果たした、元総長のかおりさん。かつて全国の不良少年・少女に愛された彼女は、暴走族を引退後、どんな人生を歩んだのか?
後編では、元ティーンズロード3代目編集長の倉科典仁氏が「引退後のかおりさんの人生」と「30年ぶりの再会」について綴ったコラムをお届けします。(全2回の2回目/前編を読む)
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「レディースだけの音楽ユニット」を作ったことも
「ティーンズロード」掲載後、レディース暴走族「女族」の知名度は上がり、特に人気の高かったかおりさんの似顔絵やファンレターが編集部にたくさん届くようになりました。
もちろん「ティーンズロード」では、ほかにも人気のあるレディースの子たちはたくさんいましたが、かおりさんは格別です。読者の質問コーナーや、ヤンキーファッション企画、映像作品にも出演したことで、人気もうなぎ上りでした。
絶頂期には、あるレコード会社から「本物のレディースだけで音楽ユニットを作りたい」とのオファーがあり、結成されたのが「鬼風刃」(きふうじん)でした。
当時、読者人気の高かった全国から選ばれたレディース総長、副総長だけで構成された、まさに「ガチンコ不良ガールズグループ」だったわけですが、かおりさんもメンバーの1人に選ばれました。とにかく目立つことに飢えていた、有名になりたいという気持ちは人一倍だったと記憶しています。
鬼風刃はその後2年で解散し、それぞれのメンバーが地元に戻っていくのですが、かおりさんだけは芸能界を諦められず、その道を目指すため上京することになるのです。
編集部とかおりさんの関係は事実上そこで終わるのですが、数年後、彼女の結婚式で再会します。幸せそうな笑顔が印象的でした。それ以来、30年弱、彼女と会う機会はほとんどありませんでした。