「人の気持ちがわからない」――幼少期からそんな悩みを抱え、人よりも多くの苦労を抱えてきた参時さん(43歳)。病気、両親との葛藤、ビジネスでの失敗など40歳になるまで多くの困難を抱えてきた。インタビュー後編では、そんな彼が「女性用風俗セラピスト」として花開くまでを紹介。たった数年で、まるで別人のように変身した理由とは?(全2回の2回目/最初から読む)

女性用風俗に入店したばかりの参時さん。超イケオジに変身した現在の姿とは?(写真:本人提供)

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36歳での生まれ直し、なぜ「女性用風俗」の道に?

――伯父さんはなぜ自殺を?

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参時 遺書には、「僕は好きなことができずに死にます」と書かれてあったそうです。田舎の長男として育てられ、家を出る選択肢が与えられていないことを嘆く内容でした。24歳で自殺した伯父と、22歳で家を出た僕が母にとって重なって見えたかもしれませんね。

――幼少期からの鬱憤を明らかにしたとき、ご両親の反応はいかがでしたか?

参時 母はすごく困った顔をしながら「ごめんね」と。父からは「お前がそう思っているとはしらなかった。ただ、ちゃんとした大人になればいいなと思って育ててきたのだから、悪く思わないでほしい」と言われました。

 両親に気持ちを伝えたことが嬉しくて、それから半年ぐらいは涙が止まらない生活になりました。誰かと喋っているとき、音楽を聴いたり、映画を観たりするだけで泣いてしまう。でも、よく笑うようにもなって。まるで赤ちゃんみたいにストレートな感情表現ができるようになりました。僕は36歳のときに「生まれ直し」たんです。

現在の参時さん(写真:本人提供)

――そこからどういった経緯で「女風セラピスト」の道に?

参時 前の会社を辞めて、不動産関連会社を立ち上げました。でも、やっぱり合わなくて。それでも、生まれ直してから数年でコミュニケーションスキルにも自信がついたし、シェアハウス生活を通じて料理のスキルも向上しました。だから、最初は飲食業での独立を考えていたんですが、当時すでに40歳。体力的に厳しいんじゃないかと迷っていたときに知人から、僕が今所属している女性用風俗「3040」の開店の話を聞いたんです。

――40歳にして、女性用風俗セラピストに初挑戦。そこに迷いはありませんでしたか?

参時 お店の30~40代のセラピストが多く在籍するというコンセプトは自分の年齢とも合致していたし、Hなことも好き。当時、彼女もいなかったので挑むしかないと思いました(笑)。1対1のコミュニケーションも、今の自分ならいけると自信もありました。

 僕の面接を担当してくれたのが、「3040」代表の一条はじめさんでした。はじめさんは女性用風俗の一セラピストから、講師、店長、経営者にまで上り詰めた伝説的な人物です。出会ったその日に、絶対にこのお店でセラピストをやりたいと思ったんです。最初は副業で始めるつもりでした。でも、はじめさんの男性から見ても素敵な所作やエスコートを見て、本業としてやりたいと熱意を伝えたところ合格となりました。